YEBISU GARDEN CINEMA 一時休館前、最後の上映作品『わたしの叔父さん』公開決定
第32回東京国際映画祭で最高賞の東京グランプリを受賞したデンマーク映画『わたしの叔父さん』の日本公開が決定。一時休館が決まっている YEBISU GARDEN CINEMA の休館前最後のロードショー作品となることが明らかになった。
『わたしの叔父さん』は、デンマークの静かで美しい農村で、年老いた叔父さんと家畜の世話をしながら暮らす若い姪のクリスが、かつて抱いていた夢や恋愛に葛藤する愛の物語。第32回東京国際映画祭コンペティション部門で国際審査委員長を務めたチャン・ツィイーは、「この映画は、詩のような語り口で、我々に穏やかに物語ってくれました。監督は抑制的で、繊細なカメラワークをもって、忘れ去られる人間の情感をとても力強く表現しました」と評していた。
『東京物語』をはじめとする小津安二郎監督作品から、淡々とした日常の中にさりげなくユーモアを効かせ、家族の心の機微を細やかに描く演出を学んだという新鋭フラレ・ピーダセン監督。自分の気持ちに素直になれないヒロインのクリスと、ひょうひょうとした叔父さんが醸し出すユーモラスな間合いと、お互いの幸せを願う愛情が笑いと涙を誘う。
そんな本作が、来年1月29日より YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開される。YEBISU GARDEN CINEMA は恵比寿ガーデンプレイス内の改装に伴い、2021年2月28日をもって一時休館することが決まっている。『わたしの叔父さん』は、世界各国の良質なアート系作品を上映してきた同館の、休館前最後のロードショー作品となる。(清水一)