尾家産業がオンライン提案会 夜間や週末の利用目立つ

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尾家産業は19日、オンライン提案会をスタートした。期間は12月末までで1万人以上の動員を見込んでいる。同社は例年「秋季提案会」を8月から9月にかけて東京、大阪など全国十数会場で開催、延べ約7千人を動員していた。コロナ禍でも顧客からは提案会の開催を求める声も多い。同社でも何とか開催できないか模索したが、安全を優先し現実での提案会の中止を決定、同社として初めてオンラインでの開催となった。

オンラインによる提案会は複数の大手卸が開催しているが、業務用卸が開催するのはおそらく初めて。「参考にするものがない中で短い準備期間で開催した。ユーザーフレンドリーかどうかなど改善の余地は大いにある(坂口泰也取締役営業本部長)」と話すように試行錯誤の感は否めないが、徐々にブラッシュアップしていくだろう。

業務用卸にとって展示会の意義は大きく、開催できないのは大きな痛手だが、オンラインでの開催を予定している企業はまだ少ない。業務用の展示会ではメニュー提案が大きな役割を占めており、試食ができないオンラインでの開催に否定的な意見もある。また、来春以降リアルでの展示会が開催できるかはまだ流動的で、単発になる可能性のあるオンライン開催に開発費用を割くことを躊躇する声もある。

こうしたデメリットはあるが、オンラインならではの利点もある。同社の提案会は8日間で既に3千人の利用があった。その中でも目立ったのは夜間や土日の利用。時間が取れなかったり、遠方だったりで現実の提案会では参加できていなかった層にも利用されている。

また現在、出展メーカーは約100社だが、いつでも追加出展が可能。新たな出展メーカーが加わると顧客にメールで連絡するシステムになっている。

時間と空間に制限がなく、開催期間も12月末までという長期間で何度でも繰り返し来場できるのもオンラインならではのメリット。メーカーにとってもブースの設営や移動に取られる労力をカットできる点は歓迎ではないか。

「尾家産業2020秋季Online提案会」は、顧客に対して発行したIDとパスワードをHP上で入力すると入場できる。トップページから「調味料」「冷凍食品」といったカテゴリーを選択するか、「朝食」「ヘルスケア」「主菜」といったキーワード、あるいは出展メーカー名を選択すると、対応する商品の選択ページに移動する。

さらに商品を選択すると詳細やメニューレシピを画像付きで紹介。商品によって商品説明や調理例など紹介する動画もある。

通常の提案会と同様に、PB新商品の紹介コーナーや「やさしいメニュー」提案といった尾家産業の企画コーナーもある。今回の「やさしいメニュー」では、セレクトメニューとして男性・女性・シニアのそれぞれに向けたメニュー提案を紹介、また特別企画として“テイクアウト”とアルコールと食事の“フードペアリング”をテーマとしたメニューを紹介。各メニューをクリックすると、材料や作り方のページに移動する。

尾家産業がオンライン提案会 夜間や週末の利用目立つは食品新聞社で公開された投稿です。