「泊まれる学校」奥多摩でやってるんですが、コロナの影響でガラガラです――

そんなツイートが2020年3月2日に投稿され、話題になっている。

泊まれる学校とはいったいどういうものなのか。深夜の校舎を探検したりできるのだろうか。妄想が止まらない。

運営責任者だという投稿者は、

「開発ルームとかもあるのでお家ではテレワークサボっちゃいそうだなって方や学校泊まりたい!教室でお酒飲みたい!って方いらっしゃいましたら1名〜からでも宿泊できるので助けてください」

と説明している。東京都奥多摩町にある廃校になった中学校(旧古里中学校)を活用し、教室のレンタルや宿泊を可能にしたという。


学校に見えない(画像はすべてJELLYFISH提供)

施設の名前は「OKUTAMA+(オクタマプラス)」。運営するのは人材紹介などを手掛けるJELLYFISH(ジェリーフィッシュ、品川区)だ。

Jタウンネットは4日、運営責任者に施設の詳しい内容を聞いた。

宿泊者と交流できる共有スペースも

以前は「奥多摩日本語学校」として開校していた旧古里中学校。2020年1月から泊まれる学校「OKUTAMA+」としてオープン。主にスペースレンタル・宿泊(個人・団体)・企業研修・イベント開催の4つの利用方法がある。

スペースレンタルでは校舎1階、3階にある教室、音楽室、理科室、美術室、また体育館や校庭をCMやコスプレ撮影用に貸し出している。個人は1時間1万円、企業は1万5000円。責任者によれば、今年だけでも某人気ユーチューバーやアイドルグループが既に使用したという。

今のところ一番多い利用方法はこういったCMやYouTube撮影によるスペースレンタルとのことだ。


教室をレンタル

寝室、シャワー室、調理室など宿泊関係の施設は校舎2階に集中している。

寝室はドミトリータイプとなっており、1人で2段ベッドの上下を借りることができる。そのため、下のベッドを作業場に、上を寝る用にするといった使い方が可能だ。2段ベッドは全部で12台あり、団体客などは最大24人まで宿泊できる。

料金は月火水木が1泊3000円、金土日祝は5000円となっている。


寝室はドミトリータイプ


コワーキングスペース

また2階にはコワーキングスペースがあり宿泊者の共有スペースとなっている。責任者はこのスペースについて、

「宿泊者同士の交流を促進するような、一生に一度の出会いの場にしたいという思いでやっているので、共有スペースは多いかもしれないです。そこで仲良くなって、次の日に奥多摩のアクティビティに一緒に行こうかみたいな出会いが生まれており、それがすごくいいと思います」

と話している。まるでゲストハウスのような空間だ。

宿泊者は予約がなければ夜間にスペースレンタルができるほか、プラス1000円で開発ルームを借りることができる。こちらはリモートワークで利用する人が多いという。


開発ルーム

新型コロナで2月の宿泊は...

企業研修の場合は、学校で作業後に鍋やバーベキュー、そのまま宿泊し翌日に少し作業をして帰るといった流れになるようだ。運営責任者は研修でここを利用するメリットの一つに「駅から歩ける距離にあること」をあげている。


OKUTAMA+(旧古里中学校)

利用者は外国人観光客が多いこともあって、新型コロナウイルスの影響で、2月2週目以降はほとんど宿泊キャンセルになってしまった。現在は感染予防として、宿泊前の体調チェックやマスクの推奨、15日頃まで(変更の可能性あり)団体の予約は受け付けないなどの対策をとっている。

しかし今回の投稿が話題になったことを受けて、「ツイッターで反響があり、多くの問い合わせをいただきました。何とかやっていけそうです」と話す責任者。今後は卒業式ができなかった子供たちのためにイベントの開催を考えているそうだ。