2019年12月に発売されたばかりのタイガー魔法瓶「マイコン炊飯ジャー〈炊きたて〉JAJ-G550」でご飯と皮なしシューマイを同時調理。一度にご飯とおかずができ上がるので節電にもつながる(写真:タイガー魔法瓶)

止まらない単身世帯増加を受け、家電のトレンドも変化しており、コンパクトで手軽に使える単身者をターゲットとした「お一人様家電」がブームだ。

単身者でなくても思わず欲しくなる「炊飯とおかず調理が同時にできる炊飯ジャー」「2秒で熱湯が沸く卓上ケトル」「コードレスミキサー」のユニークな3製品を紹介する。

炊飯とおかず調理が同時にできる炊飯ジャー

小容量のご飯とおかずが同時にできるタイガー魔法瓶の炊飯ジャーtacook(タクック)シリーズから3合タイプの新商品、「マイコン炊飯ジャー〈炊きたて〉JAJ-G550」(実勢価格1万4500円)が2019年12月1日に発売された。

初代モデルが発売されたのは2012年。「少ない時間でも手早くおいしい料理を作りたい!」という、1人暮らしの働く女性をターゲットに開発された製品だ。今年で8年目を迎えており、人気シリーズとなっている。

内なべのほかに専用のクッキングプレートが付属。内鍋の上に重ねて同時に調理できる、二重構造の炊飯ジャーだ。内なべ(下)で炊飯し、クッキングプレート(上)でおかずを作ることができる(ケーキなど一部のレシピをのぞく)。炊飯と同時に調理できるので時短かつ省エネにつながる。

おかずとご飯を同時に作る場合、炊けるご飯の分量は0.5〜1合と少なめ。40種類以上の豊富なレシピブックが付属しており、基本の和食から洋食、エスニック風料理までさまざまなジャンルのおかずを調理できる。材料をクッキングプレートに入れ、そのまま混ぜてセットするだけでできる手軽なレシピが多い。

野菜をたっぷりとれるタコライスを作った。ご飯にニオイなどはうつっていなかったが、取り出すときにクッキングプレートの端にあるスリットから汁がこぼれてしまい、ご飯にかかってしまった。汁が出るようなものは、持ち上げるときに傾けないようにそっと取り出す必要がある。レタスなどと組み合わせ、ヘルシーなタコライスができた。挽肉にレッドペッパーを混ぜているので辛さもあり、アボカドともよく合う。

ほかにも、皮を使わないシューマイも簡単で絶品だった。皮の代わりに、肉の上にコンビニで購入したキャベツのせん切りを置いて調理する(もちろん自分でキャベツをせん切りにしてもよい)。肉の部分はフワフワで、シューマイの味がする。皮がない分ヘルシーで、甘みが増したキャベツとの相性もよい。リゾットやスープ、スイーツなども、凝った材料を使わずにできるのがうれしい。忙しいけれど、栄養のバランスを考えた手作りのあたたかい料理を食べたいという単身者にぴったりだ。

新モデルでは冷凍保存用ご飯のためのプログラム「冷凍ご飯」メニューを搭載している。通常の「白米」モードよりも時間をかけて吸水を行い、ベタつきを抑える、冷凍保存を前提とした炊飯モードだ。冷凍ご飯を温め直すと、冷凍した際に気になるパサつきや、レンジ再加熱時のつぶれたような状態を抑えることができ、ふっくらしたご飯になる。

休日には「冷凍ご飯」モードで上限の3合を炊飯して小分け冷凍しておけば、平日は電子レンジで再加熱しておいしく食べられる。毎回炊飯するよりも節電にもつながるのでご飯の冷凍派にもうれしい機能だ。

なお、炊飯をしなければ内なべが空くので、そのスペースでスープなどを作ることができる。クッキングプレートでおかずと一緒に調理すれば、同時に2品作ることが可能だ。

カラーはナチュラルホワイト、コーラルピンク、アッシュグレーの3色。サイズは幅21.9cm×奥行27.3cm×高さ19.1cmで質量は3kg。コンパクトで場所をとらない点も魅力だ。アッシュグレーやナチュラルホワイトは、男性にもおすすめの落ち着いたカラー。ぜひ実物を見ていただきたい。

2秒で熱湯を注げる瞬間湯沸かしケトル

卓上に置けるコンパクトサイズのウォーターサーバー、サンコー「ホットウォーターサーバーmini」(実勢価格7980円)は、2秒で90℃の熱湯が出る。2Lまでのペットボトルに水道水を入れ、飲み口に付属のキャップを取り付ける(キャップは2種類あるので、対応した専用キャップを選択)。ペットボトルを本体真上から真っ直ぐ押し込んでセットすれば準備完了だ。


「ホットウォーターサーバーmini」。コンパクトで場所をとらないサイズ。すぐにお湯が出るのでコーヒーやカップラーメン作りも短時間でできる(写真:サンコー)

あとはダイヤルをHot(約90度)かWarm(約45度)に合わせれば、その温度のお湯が出てくる。お湯は2秒ほどで出てくるが、チョロチョロと少量ずつ出る。通常のポットやケトルのように勢いよく出るわけではない。紅茶をいれるためにカップを置いたが、1杯いれるのに30秒ほどかかった。カップラーメンにお湯をいれるには1分以上かかり、少々じれったさを感じた。

とはいえ、ペットボトルを差し込むだけで手軽にお湯が沸かせるのは便利だ。コーヒーや紅茶、カップラーメンなどを作るためにケトルに水を入れて、沸かして……という作業をしなくてすむ。ペットボトルの水さえ切らさなければいつでも使えるのはうれしい。

気になったのは、水道水しか使えないこと。水道水は一定の塩素が入っており、水質が安定している。市販の水にはそうした基準がないために衛生面の不安があるから、という理由だ。そのため、市販のミネラルウォーターを使いたい人の導入には向かない製品だ。

転倒防止マットが付属しており、2Lのペットボトルを使っても倒れることはない。ただし、横幅95mm×高さ170mm×奥行135mmと本体が小さいので、ペットボトルのサイズは2Lよりも500mLのほうが、グラつかず安定する。

インフルエンザの流行シーズンが到来し、体調を崩しやすくなる冬は、体が必要とする栄養を効率的に補給したい。手軽にビタミンや繊維をとるのであれば、ミキサーやブレンダーがあると便利だ。フルーツや野菜に、ミルクやはちみつを足すと味もまろやかになり、飲みやすくなる。

どこでも気軽に使える「充電式コンパクトミキサー」

これまでのミキサーはコードがあり、使用時はコンセントがある場所に限られた。兼六ジャパン「Happion コンパクトミキサー(KEN3988-19)」(実勢価格4380円)は充電式なので、どこでも気軽に使える。フタの部分にバッテリーと刃が搭載されており、容器に食材や液体などを入れてボタンを押せば刃が回転する。カラーはピンク、ライトグリーン、ライトブルー、ベージュの4色。 


どこでも使える充電式の1人用ミキサー「Happion コンパクトミキサー(KEN3988-19)」。充電式なので、持ち歩きもできる。プロテイン摂取用として使う方も多いという(写真:兼六ジャパン)

1回のフル充電で約15回利用可能(1回30秒)。充電方法は、付属のUSB充電ケーブルを使用する。なお、USB充電アダプターは付属していないので必要であれば別途購入する必要がある。充電モーターは1分間に2万回転とパワフルだ。2センチ程度にカットした野菜を使い、フタを下にして2回(1分)ほど回転させて、なめらかなスムージーができた。コンセントの場所に関係なく、どこでも作ることができるので便利だ。

容器は耐熱ガラス仕様なので、ゆで野菜をそのまま調理することも可能だ。ジュースなどはもちろん、プロテイン摂取、赤ちゃんの離乳食や少量のスープ作りにも重宝する。容量は300mlのタンブラーサイズで、総重量は400グラム程度。オフィスに持って行けば、ランチでできたてのスムージーを楽しむこともできる。ただ、容器はガラス製で、落下時などに割れることもある。持ち運び時には注意が必要だ。

なお、フタのゴムパッキンは外すことができるが、指が入らない狭い場所にあるので、先の尖ったものを別に用意してお手入れしている(我が家では計量スプーンの柄の部分を使用して外している)。また、フタはしっかり締めないと、電源が入りにくい。ガラス製ということもあって持ち運ぶ際に少々重さも気になったが、1人分を手軽に作ることができ、容器を移し替えることなく、そのまま飲めるので洗うのも簡単だ。

今回は1人用のユニークな調理家電を紹介したが、1人用家電は調理家電のみならず、さまざまなジャンルで増加している。コンパクトで簡単に使えるものが多いので、ぜひチェックしてほしい。