JCU(4975)、株主優待の廃止、増配、業績の下方修正 を同時に発表! 増配しても利回りは1.8%にとどまる ことなどから、夜間取引で株価が一時12%超も急落!

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 株式会社JCUが、「カタログギフト」の株主優待を廃止することを、2019年11月1日の15時に発表した。

 廃止されるJCUの株主優待は、毎年3月末時点の株主を対象に実施されており、内容は「100株以上の株主に、保有株数に応じて2500〜1万5000円相当の『カタログギフト』を贈呈」というものだった。

 廃止の理由は、「株主の皆様からのご意見及び公平な利益還元に鑑み、配当による直接的な利益還元を行うことが適切であると判断し、現行の株主優待制度は廃止させていただくことを決定いたしました」とのことだ。

 実際、JCUは株主優待の廃止と同時に、2020年3月期の期末配当を増配(23.5円予想⇒25円予想に修正)することも発表。ただし、それだけにとどまらず、2020年3月期の「第2四半期の連結業績予想」と「通期の連結業績予想」を下方修正しているので要注意。

 JCUの株主優待は、2019年3月末の株主に実施された分を最後に廃止される。

廃止されるJCUの株主優待制度の詳細と利回りは?

◆廃止されるJCUの株主優待の詳細
基準日 保有株式数 株主優待内容
3月末 100株以上 カタログギフト2500円相当
800株以上 カタログギフト5000円相当
4000株以上 カタログギフト1万円相当
8000株以上 カタログギフト1万5000円相当

 JCUの2019年11月1日時点の株価(終値)は2683円なので、株主優待が実施されていた場合、利回りは以下のようになるはずだった。

(100株保有の場合)
投資金額:100株×2683円=26万8300円
優待品:カタログギフト2500円相当
優待利回り=2500円÷26万8300円×100=0.93%

(800株保有の場合)
投資金額:100株×2683円=214万6400円
優待品:カタログギフト5000円相当
優待利回り=5000円÷214万6400円×100=0.23%

 JCUの株主優待は、投資家からの注目度が高い「カタログギフト」だったが、すでに実施された2019年3月末を最後に廃止されてしまった。その代わり、今後は配当に力を入れることが発表され、株主優待の廃止と同時に、2020年3月期の期末配当が「23.5円」の予想から「1.5円」増配されて「25円」の予想に修正されている。ただし、株主優待が廃止された分を上回るほどの増配とは言えず、増配後の配当利回りも1.81%にとどまっているのに加えて、同時に業績予想の下方修正も発表しているため、失望する投資家もいるだろう。実際、SBI証券の夜間取引(PTS取引)では一時、本日(11月1日)の終値2683円から333円も安い2350円(−12.41%)を記録している。来週11月5日以降の値動きには注意が必要だろう。
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 JCUは、自動車や電子部品向けのメッキ薬品などを手掛ける企業。2019年12月期の連結業績予想は、すべて前期比で売上高11.5%減、営業利益13.0%減、経常利益15.2%減、当期純利益14.4%減。

【※2019年11月の株主優待の情報はこちら!】
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■JCU
業種コード市場権利確定月
化学4975東証1部3月末
株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り
2683円100株26万8300円1.81%
【JCUの最新の株価・株主優待の詳細はこちら!】
※株価などのデータは2019年11月1日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。