2歳でダンスに目覚め、10歳でNYにあるアポロシアターのダンス世界大会「アマチュアナイト」で優勝。5歳から曲を作りはじめ、最近では元SMAPの3人で結成された「新しい地図 join ミュージック」にも楽曲提供した青年がいます。

マルチな才能を持つ、16歳の天才トラックメイカー・SASUKEくん。

確実に令和という時代を担っていく、“10代の先駆者”にインタビューを申し込んだ結果、
ニュートラルすぎるR15世代の価値観に脱帽しました。

〈聞き手=ほしゆき〉


【SASUKE(サスケ)】2003年生まれ、愛媛県出身。作詞作曲、ダンス、ドラム、ピアノ、ギターなど、なんでも1人でやる16歳のアーティスト

「年齢は… 全然気にしたことなかったです」

ほし:
SASUKEくんは、マイケルジャクソンが優勝したNYにあるアポロシアター「アマチュアナイト」のダンス大会で優勝経験があるんですよね。

SASUKE:
はい、10歳のときですね。


大会史上最年少優勝者だそう

ほし:
優勝したことで当時から注目されていたと思いますが、ここ最近で一気に知名度が上がったきっかけは…

SASUKE:
あ、Twitterです。

僕はダンスも歌も作詞作曲も全部やるんですが、14歳のときに東京で初めて路上ライブをしてみたんです。そうしたら見ていた人たちがTwitterで拡散してくれて…想像以上の人が興味を持ってくれました。


「警察に声をかけられたのもいい思い出です(笑)」(写真はフォロワー提供)

ほし:
そこから「若き天才」と呼ばれるようになったんですね。

SASUKE:
もっとすごい人たちがたくさんいる中で、「天才」なんて恐れ多すぎますけど…

ほし:
若さゆえに、どうしても年齢にフィーチャーされてしまうことに対しては、どう思っていますか?

「16歳だから」「若いから」ではなくて、音楽自体に興味を持ってほしいとか。

SASUKE:
えっ。うーん…全然気にしたことなかったです(笑)

「○○歳のトラックメイカー」とか、年齢とセットで紹介されることを嫌だと思ったこともないですし、逆に「若いから注目してもらえるんだ」ってプレッシャーに感じることもなくて…

年齢に、あまり大きな意味を感じていないかもしれません

ほし:
あまり意味を感じていない…!

年上の人と仕事するときも萎縮しないですか?



SASUKE:
「相手が年上だから」とか「自分が若いから」という理由で、緊張したり萎縮することはないです

尊敬している人たちと仕事をすることになったり、実際に挨拶をするときは気持ちが高まりますけど、緊張というより、ワクワクする感覚です。

ほし:
(ナチュラルに「年齢はただの数字でしかない」という感覚を持ち合わせておられる…)

「学校が強要してくる“みんなと同じことをしなさい”って、よくわからないですよね」。

ほし:
ダンスもできるし曲も作れるし、学校でも人気者だったのでは?

SASUKE:
全然そんなことないですよ。学校、好きじゃなかったんです(笑)。

ほし:
え、意外…!

SASUKE:
本当はバンドを組んでみたかったですが、学校に友だちがいなさすぎて無理でした(苦笑)


休み時間はいつも、教室の隅で本を読んでいたそうです

SASUKE:
学校って「みんなと同じことをしなさい」と言うし、それを受け入れる生徒がうまく過ごせるところなのかなと…

ほし:
先生とぶつかることもあったんですか?

SASUKE:
ありました。運動も勉強も不得意なうえに、いつも曲のことばかり考えていたから、先生にあまり好かれなかったんだと思います。

友だちも、気分のままに歌いだしたり、人目を気にせず踊りはじめる僕といるのが恥ずかしかったのか、離れてしまうこともあって。

ほし:
あぁ〜…思春期の難しくて残酷なところですね…

SASUKE:
小学校5年生くらいで、「このまま“素”で振る舞いつづけたらやばいんだな」と思いました。



SASUKE:
だから学校では歌わないし踊らない。静かに過ごそうと思って、ひっそりと本を読むようになったんです。

ほし:
ということは、中学生になってさらに曲作りに打ち込むようになったのは、学校で抑圧されていた反動…?

SASUKE:
今思うと、そうかもしれません(笑)。唯一思い切り自分を解放できる時間だったので。

学校では上手くいかなったけど、父も母も「みんなと同じじゃなくてもいい」「好きなことに打ち込んだらいい」と言ってくれました。

「楽しいことしかしない」「みんなと同じことはしない」

ほし:
SASUKEくんはすごく頑固だと聞いたのですが、仕事や人生のマイルールなどはあるんですか?

SASUKE:
「楽しいことしかしない」ってことと、「みんなと同じことはしない」って決めています。



ほし:
「楽しいことしかしない」かぁ。

今まで、その考えに反してやめてしまったことはありますか?

SASUKE:
食べることとか。

ほし:
食べること!?

SASUKE:
僕、食べるスピードがみんなよりも遅かったんです。少食だったこともあって、給食が一番辛い時間でした。

でも食べないと先生も心配しますし、学校で頑張って食べていたぶん、家ではご飯をまったく食べないようになってしまって…主食はグミでした

ほし:
グミィ!?


本当に音楽とダンス以外のものには、まったく興味がなかったそうです

SASUKE:
最近は、人並み以上にたくさん食べるんですけどね(笑)。

ほし:
あ、最近は食べているんですね。(ほっ…)

SASUKE:
今のは極端な話ですが、そのくらい日常生活から「楽しくないこと」を選ばないように徹底しています。

楽しいものを作りたいし、みんなにも楽しんでもらいたい。だから、常に自分が「楽しい!」と思っている状態でありたいんです。

ほし:
「楽しい」に超ストイックだ…でもそれが、SASUKEくんのプロ意識なんですね。


「“プロ意識”なんて言われると、恥ずかしいですね(笑)」

自分がワクワクするポイントをいくつも持っていれば、モチベーションは落ちない

ほし:
曲作りに疲れてしまったり、「もうやりたくない」って思うときはどうしてるんですか?

SASUKE:
他の曲を作ってリフレッシュします

基本、いくつもの曲を同時進行で作っているので、行き詰まったら他の曲を作ります。それを繰り返しているうちにアイデアがひらめいて、前の曲に戻ったり。

ほし:
曲作りのモチベーションを曲作りで上げている…

SASUKE:
自分がワクワクするポイントを、常にいくつも持っていたいタイプなんです。

ほし:
なるほど。物事を続けていくうえでアガるポイントを複数持っておくのは重要ですよね。

仕事も同じようにできれば、休日をストレス発散に費やすこともないんだろうな…


10歳年下の天才から必死に学ぶ筆者

ほし:
…それにしても、毎日作曲してて本当に日々楽しめるものなんですか?

SASUKE:
起きてる間は、楽しめてるってことです。

ほし:
え?

SASUKE:
曲作り自体に行き詰まって「なんか今日ダメだな」って思ったら、すぐ寝てリセットします。僕の場合は、それが一番効果的なので。

起きてる間はいつでも楽しんでいる、という自分をつくりたいんです。

ほし:
16歳にして、「起きている間はいつでも楽しい人生」を本気で確立している…!

自分が楽しむことに全力だから、「まわりと違うこと」は気にならない

ほし:
SASUKEくんは今、通信の高校に通いながら音楽活動をしていると聞きました。

多くの同級生が地元の高校に通っているなかで、人と違う道を歩んでいることを不安に感じることはないんですか?

SASUKE:
ないです!

みんなと同じように、僕もめちゃくちゃ楽しく過ごしてるので。


あっけらかん度200%

ほし:
それがすごいですよね。SNSでみんなの生活を覗けるぶん、他人と比較してネガティブになる人が多いのに。

SASUKE:
自分の「楽しい」と他人の「楽しい」は違いますし、僕は自分を楽しませることに全力なので、まわりが気にならないのかもしれません。

ほし:
自分みたいに好きなことを追求するほうが楽しいのに、とかも思わないですか?

SASUKE:
思わないですよ

僕が見つけられなかった学校の楽しさを、みんなは見つけられているわけで。

僕は僕でハッピー、みんなはみんなでハッピーじゃないですか!


「イェイ」

ほし:
もし「SASUKEくんのように、好きなことを極めていきていきたい」と相談を受けたら、なんてアドバイスしますか?

SASUKE:
「少しでもワクワクしたらすぐ行動したほうがいい!」って言いますね。

僕もすごく意識しているんですが、「楽しそう」って思った瞬間がエネルギーの頂点じゃないですか。そこから時間が経てば経つほど、そのエネルギーはしぼんでいく。やりたいことも実現から遠くなっていきますよね。

だから、「即行動する!」の積み重ねが一番大事だと思います。

「J-POPは、もっとJ-POPらしくていいと思ってるんです」

SASUKE:
…最後に、ちょっと僕がもどかしく思ってる話、してもいいですか?

ほし:
おっ、なんでしょう?

SASUKE:
自分の「楽しい」を他人と比べてしまうように、最近のJ-POPも海外の音楽に影響を受けすぎてしまっていると思っていて。



ほし:
洋楽っぽくなってきているということですか?

SASUKE:
そうなんです!

日本味が抜けちゃって、同じような音楽が増えてしまったように感じています。

昔のJ-POPやシティポップもルーツは海外だと思うんですけど、もっと日本ならではの解釈が全面に出ていたというか…

ほし:
“日本味”とは何だろう…

SASUKEくんが「J-POPぽくていいな」と思っているのは例えばどんな曲ですか?

SASUKE:
僕は、坂本龍一さんをよく聴きます。


坂本龍一さん…R25世代でもよく聴いている人は少ないのでは?

SASUKE:
「流行りとか気にしないで、もっと日本らしさを楽しんでいこうよ」って思うんですよね。そんな想いで、新曲の「J-POPは終わらない」をつくりました。

ほし:
自分と他人とを比較しないほうが楽しいように、日本の音楽もそうあってほしいと思ってるんですね(16歳にして…)。

SASUKE:
はい。僕も「日本の曲いいじゃん!」って世界に思わせるような音楽を、これからもたくさん作っていきたいです。



SASUKEくんの夢は、ヒップホップやレゲエのように、新しい音楽ジャンルを自分で生み出すこと。

そして、ブルーノ・マーズが出演するアメリカの「Super Bowl Festival」など、世界最大級のフェスでパフォーマンスすることだそう。

「大きい夢を語るとバカにされることも多いけど、それも全然気にしてないです」と笑う彼の奔放さを見て、SASUKEくんが令和世代のヒーローになることを確信しました。

なんと、今日8月7日には日本テレビ『スッキリ』にも出演! 「J-POPは終わらない」の配信も始まります。

今年の夏は初の単独ライブなど、大きいイベントもたくさんあるので目が離せませんよ。

〈取材・文=ほしゆき(@yknk_st)/撮影=樋口まみ〉

【イベント情報】

8/9(金)KaMING SINGULARUTY@渋谷ストリームホール
https://www.kaming-singularity.com/

9/7(土)STUDIO MOXY set.1@Moxy Osaka Honmachi
https://www.sound-c.co.jp/schedule/detail/4280/

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