KDDIの5Gアンテナと基地局が未来を開く! マンホールや窓、街灯が5Gアンテナと基地になる
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KDDIでは、2019年に一部エリアから5Gのサービスを開始し、2020年には本格的に展開していくとしている。
5Gは高周波数帯域の電波になるため、直進性が非常に強くなる。そのため、大きな建物で電波が途切れてしまうことが起こりうる。5G基地局ではカバーできる通信エリアが狭くなるため、4Gよりも大量のアンテナ設置が必要となる。
そこでKDDIが取り組んでいるのが、小型で街中に設置しても違和感のない5Gアンテナと基地局だ。
東京ビッグサイトで2019年5月29日より開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2019(WTP2019)」では、KDDIが開発中の5Gアンテナを見ることができた。
■5Gの電波を道路からも発信できる「マンホール型アンテナ」
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KDDIの「マンホール型アンテナ」 中央部分の蓋は、電波を遮断しない樹脂製だ
マンホールの蓋を5Gアンテナにしてしまおうというのが「マンホール型アンテナ」だ。
マンホールの蓋は通常、鋳型で作られるため電波が遮断されてしまう。そこで「マンホール型アンテナ」では、中央部分の蓋を樹脂製にすることで、電波の遮断を回避している。
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「マンホール型アンテナ」を横から見たところ。アンテナモジュールを地上付近で固定する
「マンホール型アンテナ」はアンテナモジュール固定治具によって、アンテナモジュールを固定する。既存のマンホールと置き換えてしまうと、点検や修理、清掃などができなくなってしまうため、新たに地面に埋設するかたちでの普及を検討している。
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アンテナモジュール自体は意外に小さいことがわかる
■オフィス内でも目立たない、高層ビルの窓際から5G電波を飛ばす「可視光透過アンテナ」
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「可視光透過アンテナ」を壁面に設置した様子。アンテナとは思えないほど目立たない
オフィス内でも目立たないように5Gアンテナを設置したいというニーズに応えるのが、「可視光透過アンテナ」だ。
「可視光透過アンテナ」は、透明な導電性フィルムなどの光を通す素材を使用しているため、設置しても目立たない。高層ビルのオフィスであっても、「可視光透過アンテナ」を窓際に設置することで、ビル内での5Gエリアを確保できる。
透明であることから、LED照明やイルミネーション、サイン照明(看板)を 基地局アンテナ化するなど、設備とアンテナとの融合も想定されているという。また異なる周波数帯別に複数設置していたアンテナを集約できるので、アンテナ数やアンテナ設置面積を削減し、トータルコストの低減も期待されている。
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天井面や壁面など、場所に応じて様々な「可視光透過アンテナ」が開発されている
なお、KDDI では、「可視光透過アンテナ」を使った屋内基地局の運用を2017年から開始している。
■観光地の景観に配慮した「街路灯型基地局」
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街路灯型基地局。街路灯の上に設置されている5Gの電波を飛ばすアンテナ
観光地の景観に配慮した基地局が、「街路灯型基地局」である。
高層ビルの下や、街路樹の陰など、街の中には意外と電波の届きにくい場所だ。
こうした場所に「街路灯型基地局」を設置することによって、道路動線などで安定した通信を提供することができるという。
既存の街路灯に取り付ければ、低コストでの運用が可能となる。さらにアンテナや無線機、配電盤などを柱の内部に収納してコンパクトにできるのも、大きなメリットだ。
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「街路灯型基地局」は目立たないので、観光地の景観に配慮することができる
KDDIが取り組む5G アンテナや基地局は、街の景観を損ねずに5Gを活用するために必要不可欠なものとなりそうだ。
執筆:ITライフハック 関口哲司