6月1日(土)公開の映画『誰もがそれを知っている』より、アスガー・ファルハディ監督のインタビュー映像が解禁となった。

スペイン人キャストたちと、結婚式の披露宴シーンのセットで楽しそうにケーキ入刀のポーズをとるアスガー・ファルハディ監督

アスガー・ファルハディ監督の47歳の誕生日(5月7日)を記念して解禁となったインタビュー映像。本作は、監督が母国イランを離れ、初となるオールスペインロケで挑んだ野心作。15年前のスペイン旅行で目にした、壁に貼られた行方不明の子どもの写真に着想を得て以来、ずっと温め続けてきた物語について「すべてはスペインで始まったことだから、構想を練る時にスペインは切り離せなかった。他の国でこの作品を撮ることはできないよ。現実に基づいてるからね。」と語る。

また本作では、“スペインで最も有名な夫婦”ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムという、スター俳優たちの豪華キャスティングが実現。数年来の友人である彼らは、母国スペインを舞台とする本作の企画がスタートした4年前から監督への協力を惜しまず、キャラクターは当て書きで執筆された。

アスガー・ファルハディ監督

ペネロペは演じたラウラ役について「間違いなく、今まで演じた中で一番複雑なキャラクター」と語っているが、2人との仕事について監督は、「最高の経験になった。彼らは几帳面なんだ。毎日撮影現場に来ると必ずと言っていいほど役柄についてたくさん質問してきた。あらゆることに気を配り、実に正確なんだ。」と、ラテン系俳優のおおらかなイメージを覆す2人の強いプロフェッショナリズムを明かした。

また、実生活で夫婦であることを演出に生かしたかという点については、「特に指示してないよ」と記憶を辿りつつ、「物語の序盤で2人を見た観客は、(役柄上は幼なじみであり)恋人同士ではないのにある関係性を感じ取れる。そうすることで物語が進行しやすくなる。」と、その巧みな演出手腕を感じさせる意図を語った。

インタビューを「(本作のサスペンス要素は)映画の別次元の層に到達するための道具であり手段だ」という意味深なメッセージで締めくくった監督。最後まで観終えて『誰もがそれを知っている』というタイトルが指し示すものを知ったとき、私たちはどんな境地にたどり着くのだろうか?人間社会の裏に潜む普遍的なテーマを鋭く描き出す名匠が仕掛ける、家族の秘密と嘘をめぐる極上ヒューマン・サスペンス『誰もがそれを知っている』は6月1日(土)日本公開。

映画『誰もがそれを知っている』は6月1日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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