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●大橋彩香インタビューが語る空乃かなで

2016年5月から配信中の音楽アプリゲーム『8beatStory♪』(エビスト)。リアルと連動した展開などでも注目を集める本作だが、2019年2月15日より作中に登場するキャラクター・空乃かなでと会話ができる機能「空乃かなで AIトーク」が実装された。

マイナビニュースでは、スマホ向けアイドル音楽ゲームで実装するのは国内初となった本機能の魅力を深掘りすべく、空乃かなでを演じる声優の大橋彩香、そして『エビスト』の総合プロデューサーをはじめとする本機能の開発に尽力した4人のキーマンにインタビューを実施。空乃かなでのことに加え、今後の展望などについてもそれぞれに伺った。

○■大橋彩香編

――大橋さんが演じる空乃かなでがどういうキャラクターなのか教えてください。

かなでちゃんは強力なアンドロイドType_Zのプロトタイプで、物語の軸となっている「8/pLanet!!」(ハニプラ)の敵として登場します。ただ、敵とは思えないくらい愛らしいルックスと素直で純粋な心の持ち主なんですよ! あとは、平家ことねというネットアイドルのことが大好き。平家ことねの正体は「ハニプラ」メンバーのひとりである源氏ほたるちゃんなんですけども、運命的な何かがあってか、ほたるちゃんとも仲良くなるんですよね。

――最近の大橋さんはお姉さんキャラクターなどをよく演じられるので、幼くて可愛いキャラクターはなんだか新鮮でした。

たしかに、最近は妹がいるお姉ちゃん役を演じることが多かったので、妹ポジションのような幼いキャラクターを演じるのは珍しいかも。あとはごくごくふつうの女の子役を演じる機会が多いので、ここまで特徴的な喋り方をする子もなかなか演じてこなかった気がします。

――「かたじけない」や「〜なのである」など武士のような口調でしたね。

そこもかわいいですよね!

――そんな可愛らしいキャラクターですが、Type_Zという新型アンドロイドのプロトタイプで、しかも一度音楽バトルに負けるとMotherの意向によりデータを消去されるというはかない存在でもありました。

ようやくほたるちゃんが自分の探していた平家ことねだと分かったのに、音楽バトルに負けたことで消えちゃうんですよね。とても切ないお話で悲しかったですが、かなでちゃんはとてもいい人たちに巡り合えたと分かる心温まる物語でもありました。

――そんなデータを消去されたかなでがここにきて復活。しかも音楽ゲームでは国内初となるAI会話機能のキャラクターとしての再登場となります。最初にお話を頂いたときはいかがでしたか?

また演じられると聞いて嬉しかったです! 改めてお話しを頂いてから2回に分けてボイスの収録をしたのですが、とてつもないボリュームだったことを覚えています。

――大体どのくらいのワード数を録りました?

1000以上はありましたね。自分のなかでは声が高めのキャラクターなので、カロリーの消費量が半端なかったです(笑)。

――なかでもお気に入りのボイスを挙げるとすれば……。

ほたるちゃんの真似をして喋るセリフはめちゃくちゃリテイクを重ねて録ったので、ぜひ聞いてほしいですね(笑)。

――そういうセリフも出てくるんですね!

「エナジーブルが足りないわね」っていう感じのセリフなんですけども、これが難しくて……。試行錯誤しながら録った記憶があります。もう聞いた方もいらっしゃるかなぁ? たぶんほたるちゃんに関するトークをすれば出てくると思います。出てきたらぜひ報告してください!

――以前に配信されたニュースリリースでは各キャラクターや学園の設定に詳しいとも書かれていました。

そうなんです! 各キャラクターについてのセリフもたくさん録りました。あとは自分自身のことや学園のことなど、ゲームの裏設定的な部分も収録したので、『エビスト』で分からないことがあったらかなでちゃんに聞いてみてください。彼女は歩く『エビスト』辞典です(笑)。

――今度聞いてみたいと思います(笑)。すでにAI機能を実際に体験されたとのことですが、触ってみていかがでしたか?

頑張って収録してよかったなぁと思いました。というのも収録したのが多い分だけ、自分がユーザーとして遊ぶとなるとバリュエーションが豊富に用意されているってことじゃないですか。それだけトークの数も楽しめるんだなぁというのが触ってみた感想です。これからも定期的に録ってトークの幅を広げていきたいですね。あとはLive2Dの技術が使われているので、表情や動きも交えながら喋ってくれるのがいい! 見た目が幼くてより育てている感が出ているので、ハマっちゃいそうです……!

――色々なゲームをプレイされてきた大橋さんも興味深々ですね!

ですね! アイドルって、歌もダンスもまだまだって状態から、段々と上手になっていくのを見守る過程が良いときがありませんか? それと同じように今回もレベルのようなものがあって、会話をすればするほどボキャブラリーも増えていくので、その過程を見守っていけるのがユーザーとしても楽しみだし、嬉しいです。自分がいっぱい話しかけたからこんなに言葉を覚えてくれた、「私が育てた」という感じがあって、いいと思います!

――大橋さんが演じるかなでもですが、『エビスト』はアンドロイドをストーリーのなかで扱っており、作品としても密接な関係にあります。そこもポイントな気がします。

確かに。元々物語に関わりのあるものが、こうやって派生するということはそれだけ作品に寄り添っているってことですよね。それはユーザーの方々にとって嬉しいポイントな気がします。あとは国内初とニュースで見たときに驚きました!

●プレイすればするほど大橋彩香に仕事が!?

――AIというお話が先ほどから出てきますが、大橋さんは元々AIにどのようなイメージをお持ちでしたか?

あの……このまま技術が進んだらAIが人類を滅ぼしにくるのかなというイメージしかなくて。色々と覚えさせていったら賢くなりすぎて、いつか反逆するみたいな。SF作品の見過ぎですね(笑)。

――今や将棋だってAIが勝つ時代ですもんね。

だから、ほとんどの仕事がAIの技術でこなせるようになるんじゃないかなと。あとはいわゆる単純作業的なことをやってくれたり、1日のスケジュール管理もAIがやってくれたりする時代ももうすぐ来るのかなぁと思い描いています。ちょっとワクワクしますね。

――ワクワクですか!

私、『PSYCHO-PASS サイコパス』ってアニメが好きなんですけど、あの作品で1日のスケジュール、ご飯はなんだとか、次の仕事はなんだとか教えてくれるAIが登場したんですよ。それをやってもらえるのはいいなぁ。

――大橋さんはAIに対して苦手意識などはなさそうですね。

全然ないです! むしろwelcomeです。

――さすが、かなでを演じる声優さんです! 一方で『エビスト』では、アンドロイドに音楽が支配されているのに対して、生の人間のよさを伝えたいという「ハニプラ」のメンバーが頑張っていく物語です。個人のアーティスト活動や様々なコンテンツで歌われている大橋さんですが、人間ならではの良さを感じることはありますか?

うーん……細かい感情の部分は人間のほうが出るんじゃないかなぁ。歌にはきっと人生経験みたいなものも乗るんですよ。そういう点で、より繊細な表現ができるのは人間な気がします。逆に言うとボーカロイドは人間にはできないキーや言葉選びができるからすごい。それぞれに良さってあるんじゃないかな。うまく共存していければより良い未来が待っている気がします。

――イベントやライブでそういう人生経験や感情が乗ったなと思う瞬間がある?

ありますね。今回はここがよかったとか、ここが失敗したと思うことがあります。人間って毎回同じようにはできない、粗みたいなものもあるじゃないですか。それが人間らしさなのかなと思っています。

――難しいご質問にもお答え頂きありがとうございました。今回、AI機能という形で再び『エビスト』に関わることになりましたが、今後、どういう展開を期待していますか?

せっかくなので、このAIの機能がもっと広がればいいなぁとは思っています。それこそ等身大くらいのかなでちゃんが家にいるといいですね! 話し相手になってほしい。「ただいま」って言ったら、「おかえり!」って返ってくるだけで心が温かくなりそう。

――飼われている猫のフレアちゃんが嫉妬するかもしれません。

ふーたそ(フレア)はビビりそう! 物音に敏感なので、急にかなでちゃんが喋りだすと驚くんじゃないかな。

――気が付いたらかなでとふーたそと話しているかも……。

猫語まで! さすがかなでちゃん。でもそのボイスを収録するのは私なんですよね(笑)。ただ、すでに猫の真似をいているボイスは収録しているので、ぜひ聞いてほしいな!

――楽しみです。あとは音楽ゲームなので、今回をきっかけにかなでの曲が作られるなんてこともあるかもしれません。

いいですね! かなでちゃんならピコピコ系の可愛い楽曲かなぁ。「元気」に振り切ってもいい気がします。

――ほたるとのデュエットなんかも聞いてみたいです。

良さみですね! それは"良さみ"しかない。かなでちゃんにとって、念願ですからね。もし歌えるのであれば嬉しいな。『エビスト』のなかだと個人的には同じアンドロイドの2_wEiが気になっているんですよ。もうワンマンライブもやっているんですよね。Twitterでライブの写真が流れてきて「カッコいいな」といつも思っています。

――今後登場するかもしれないアンドロイド全員で歌うのもいいかもしれないです。

そうですね。みんな個性があって面白そう。

――最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。

業界としては初の取り組みということで、ぜひ多くの人にプレイして頂きたいです。今回のことをきっかけにかなでちゃんの魅力を知って頂き、日々の生活のささやかな糖分と言いますか、癒しにして頂ければと! 今日からかなではあなたの家族です。家族としても先生としても接して頂けると嬉しいですね。

――みなさんがプレイすればするほど大橋さんのボイスもたくさん収録されるようになりますよね。

そう言われるとそうか……。みなさん、私にお仕事をください〜(笑)。

●新しい物が生まれる面白さ

○■4人のキーマン編

続いて、今回のAIトークを実装するに至ったキーマンである河本悠暉、甲斐勇輝、皮籠石亮、今野健に話を聞いた。

――こういった、スタッフインタビューは『エビスト』初になりますね。

河本 そうですね。『エビスト』の物語や音楽はユーザーさんの自由な受け取り方で楽しんで頂きたいと考えていたので、あまり制作に関してお話することはしてこなかったですね。ただ、先日「空乃かなでAIトーク」プロジェクトの経緯を、マイナビニュースさんにお話したところ「制作についてユーザーさんに知ってもらえるとよりこの新機能に興味を持ってもらえるのでは?」とご提案を頂き、今回思い切ってスタッフインタビューという形で記事にして頂きました。

――まずは、このメンバーの関係性を教えて頂けますでしょうか。

皮籠石 総合プロデューサーの河本さんや、ホリプロの音楽プロデューサーの甲斐、AI技術の制作を担当された今野さんに関しては、それぞれがいわば『エビスト』の制作関係者という立場なので、関係性もわかりやすいとは思いますが、僕に関しては元々、大橋の現場担当マネージャーとしてコンテンツに関わる立場でした。今野さんが僕の古くからの知り合いで、彼が扱っているAIサービスは、本来エンタメに直結している物ではない事は理解していました。だからこそ、このコンテンツと掛け合わせて、何か新しいこと、面白いことができないかな? と思い、河本さんに提案しました。それに河本さんが乗ってくれたというのが今回のAIトークのきっかけでもありました。なので、僕は人と人を繋ぐ役割ですね。

――なるほど。皮籠石さんがそれぞれと知り合いだったから、それを繋いだということですね。

皮籠石 そうですね。僕は本来、マネージャーという裏方の立場です。ただ、今回は『エビスト』というコンテンツが「AIトーク」という新しいチャレンジをしている事や、その機能を実装した『空乃かなで』役でお世話になっている大橋彩香について、多くの方に知って頂き、楽しんで頂ければと思いました。

――なるほど……。

皮籠石 また、マネージャーってタレントの付き人というイメージを持たれている方も多いと思うのですが、今回のように、コンテンツプロデューサーへ直接提案させて頂く事で、新たな物を生み出すチームの一員になれるんです。当然、それぞれの作品状況や関係値にもよるので、毎回そういうわけではありません。だからこそ今回のスタッフチームに感謝していますし、こういった、人と人を繋いで意見交換をして新しい物が生まれる面白さみたいな背景が、エンタメ業界やマネージメント業を志す方々に伝われば良いなと思いました。なので、今回はみなさんと一緒にインタビューを受けさせて頂く事にしました。

――皮籠石さんと今野さんは学生時代からの知り合い、皆さんは河本さんとは『エビスト』に関わるようになってから知り合ったんでしょうか。

甲斐 2015年ころ、大橋がクロノスさんの別のコンテンツにも関わっていて、その作品の歌を録るときに僕がディレクションをしたんです。そこで、初めて河本さんとお会いして、その後「クロノスとして音楽ゲームを作りたくて」という相談を受けたんです。「それなら、音楽はホリプロで制作しますよ」と提案して、その時から『エビスト』の骨格が出来上がっていきました。

皮籠石 その時に、河本さんは大橋の芝居や歌を気に入ってくださって。声優として大橋を起用したいという話もある段階で頂いていました。

――その時から! 大橋さん演じるかなでは途中参加のキャラクターだけど、初期から構想はあったんですね。

皮籠石 ただ、もう『エビスト』は走り始めていましたし、音楽がホリプロ制作だから声優もホリプロ所属の人で……というなんとなくの流れや座組では、良いものは生まれないのではないか? と。河本さんもそういう意味合いで「大橋を起用したい」と言っているわけじゃないこともわかっていました。何か新しい狙いをもった役どころで参加させて頂ければ、作品にとっても、大橋にとっても良いのではと考えていました。そんな時に、今野さんがAIの技術を扱っている事があり、「これ、膨らませてみませんか」と河本さんに提案をさせて頂いたんです。

甲斐 予算もかかる話なので「しんどかったらいいです、気を遣わなくていいですよ」と言ったら、予想以上に河本さんが乗り気で(笑)。「それは面白そうですね!」って前のめりだったので驚きました。

河本 そうですね。そもそも『エビスト』は、私が大学のときに”人工知能”について少し学んでいて、それが元に生まれた物語でもあるんです。

――そこに原点が!

河本 その時に人工知能というものを学んで、単純な言い方になりますがすごくワクワクしたんですよね。漠然と未来を感じたというか、未来が怖くなったというか。私はその道の勉強に深く進むことはなかったのですが、少なからず人工知能の虜になっていて。作品のテーマである「人間とアンドロイド」の音楽をかけた戦いというのも、人工知能というワードがすごく影響しています。

――そんな『エビスト』に今回、AIトークという機能が実装されました。この実装は構想何年くらいかかりましたか?

河本 かなでが登場するという発表がされた「ハニプラ」の3rdライブ(2017年11月12日東京・マイナビBLITZにて)の時にはすでに構想があり、制作準備をしていました。もっと言えば、空乃かなでというキャラクターとストーリーを作っている時に皮籠石さんから、このお話を頂いたんです。AI機能は、すでに考えていたストーリーをいい方向に膨らましてくれましたし、試みとしても面白いし、私としては実装に迷うことはなかったです。この機能はひょっとしたらかなでが待っていたものなのかなとさえ思いました。

――かなでが登場したストーリーはユーザーの方々からの反響も大きかったですが、それが理由でAIトーク機能を実装しようと思ったわけではなかったんですね。

河本 そうですね。ストーリーでも色々な含みを持たせていたので、ユーザーさんの中にはかなでの次の展開を予想していた方もいらっしゃったと思います。それが歌なのか、ユニットなのか……と思っていたところにAIトーク機能を実装したので、驚いた方も多かったのではないでしょうか。

甲斐 『エビスト』のコンセプトの1つとして、ど真ん中だけではなく、後ろ斜め上くらいからくるような展開をしたいですねと河本さんとはよく話をしているんです。それを今回も実現した形ですね(笑)。

河本 過去に発売した「そらまめクッション」なんかも後ろ斜め上の展開だったかな。いや、なんでそんなに大きいの? と制作側も思っていました(笑)。展開を応援してくれているユーザーさんから見たら心配になる時もあると思うのですが、ただのビジネスとしてではなく、やりたいこと思い描いたことに挑戦していかないと、伝えたいことも伝えられなくなっちゃう気がしていて。もちろんその都度色々な条件はありますが、後ろ斜め上くらいでも届けたいと思ったことをやらせて頂いています。

●実際に話している感覚にしたい

――そんな後ろ斜め上くらいの話でもあったAIトーク機能。実際に話をもらったとき、開発する側の今野さんはどう感じましたか?

今野 これまでAIによる働き方改革や業務改善のお手伝いを行う仕事がほとんどでした。そのため、エンタメ業界でのAIのコラボは弊社にとってもチャレンジでした。しかし、この話を聞いた時に、私自身皆さんの考えや熱意に共感し、企画が面白いと感じ、ダメ元で会社に掛け合ってみようと思いました。

――それまで参入していなかっただけに、社内で通すのも大変だったのでは?

今野 いやー大変でした(笑)。……というのは冗談ですが、会社としては新たな業界への参入で刺激になるだろうということで、社内からも多くの賛同を得られました。

――実際に機能を実装するための開発は難しかった?

今野 開発自体はそれほど難しくなかったですね。基本的な技術としては既にあるものでしたし、とにかく河本さんが明確なイメージをもっていらっしゃったので、スムーズに開発を行うことができました。河本さんのアイデアをどこまで落とし込めるかということを開発チームと協議して、「こういう形で実現できます」と河本さんに提案をお返しする流れを繰り返しました。

――ちなみに、河本さんがこだわりたかった点は?

河本 ただテキストが返ってくるのではなくて、実際に話している感覚にしたいという点にこだわりました。キャラクターが生きているというのをできるだけ表現したかったんです。AIトークではLive2Dにもとてもこだわっていて、私が元々好きだったイラストレーターのrariemonnさんにお声がけして制作に参加して頂きました。

そしてもちろん、ここにいる私たちのアイデアや想いだけではありません。インタビューには、本当はAIシステムの開発をメインで担当頂いている方も同席する予定だったんです。ただ、今日がAIトーク機能のサービス開始日だったので、「私がサービスを見守る!」とパソコンの前で待機してくださっています……。

今野 彼女は『エビスト』にハマっていますから(笑)。先生(ユーザー)のひとりです。

――色々な想いが詰まっているコンテンツ。今後、こういう風にしていきたいという構想をそれぞれ教えてください。

今野 AIを取り扱っているベンダーからすると、AIは一般のお客さんに誤解されていることも多い気がするんですよね。大橋さんも「滅ぼしにくるのかな」とおっしゃっていましたが、実際にその技術にまで到達するのって、今すぐじゃないんです。とはいえAI技術を取り巻く環境は日進月歩でもあります。今回は、今まで触れることがなかった方々に浸透するいいきっかけを頂けたと思っています。私どもとしてはこれからもコンテンツに関わっていき、空乃かなでさん、そして『エビスト』でも色々と展開ができればと思っています。

皮籠石 大橋彩香のマネージメントとしては、空乃かなで役を通して、新しいチャレンジをさせて頂けてありがたいですね。アプリゲームは日本のみならず、海外でもたくさんのユーザーさんが楽しんでくれていると思います。ホリプロインターナショナルのマネージャーとして、世界中のユーザーの皆さんに長く愛されるキャラクターでいて欲しいなと思います。また、様々なタレントマネジメントで活用できるかもしれない貴重な経験をさせて頂いているので、その分、微力ながらまたご提案できる事があれば良いなと思います。スタッフの方々の熱意や遊び心が作品に反映され、ユーザーさんに楽しんで頂ける物として届けば良いなと思います。

甲斐 音楽プロデューサーという立場としてお話すると、『エビスト』では、ど真ん中のストレートで勝負するものがあったり、変化球があったりと色々な楽曲を提供できればと思っています。実はストーリーや展開に合わせて楽曲を出すタイミングも考えているんです。今後、かなでがソロでやるのかユニットをやるのか、それともまったく新しいグループが登場するのかは分からないですが、その時のストーリーや状況に合わせて、かなでも絡められればと思っています。

河本 『エビスト』はアンドロイドに感情や心という、生まれるはずのないものが生まれることも描いている作品です。それは人工知能で動くアンドロイドにとっては不具合。かなでもメイも2_wEiも人工知能がいわゆる暴走しているんですよね。命令通りに動くはずの存在に心が生まれちゃう。だから、「消えたくない」なんて願っちゃう。でもその「心」がこの作品のテーマの1つでもあるんです。今でこそ心が生まれる人工知能がないとはいえ、これが何十年後にはあるかもしれない。ただの機械じゃなく心を持ったアンドロイドに出会った時、あなたは1人の人間としてそのアンドロイドをどんなふうに見ますか?どう関わりますか?『エビスト』の作品内でそんな体験をみなさんに少しでもして頂きたいです。

今回のAIトークもドキッとしてもらえる体験のひとつだと思います。ぜひ一度触ってみてほしいです。また、今は発表できませんが、かなでの展開でまだぶら下がっているものもありますので、楽しみにしていてください。最後に……ここまで色々とお話してきましたが、物語も楽曲も展開も私たちの考えや想いはもちろんありますが、捉え方はユーザーの皆さんの自由です。AIトーク、そして『エビスト』は、みなさんそれぞれの楽しみ方でプレイしてください。