機械学習によって存在しない人物の顔画像を自動的に作れるようになり、偽の写真を使った詐欺が横行したり、デジタルなIDが偽造される恐れが指摘されています。しかし、2019年時点のAIは完璧な画像を作成できるわけではなく、「どこに違いが出るのか」を知っていれば偽物を見抜くことも可能なはず。ということで、2枚の顔画像のうちいずれが本物か?ということをテストできるウェブサイトをワシントン大学のJevin D. WestさんとCarl T. Bergstromさんが公開しています。

Which Face is Real?

http://www.whichfaceisreal.com/

上記のURLにアクセスすると「Click on the person who is real.(現実に存在する人をクリックしてください)」という画面が表示されます。どう見てもどちらも現実に存在する人の写真に見えますが、何となく左側の人をクリックしてみると……



「You are incorrect. The image on the right is the real one.(間違っています。右側の人が本物)」と表示されました。正解の写真は緑色の枠で囲まれます。「Play again.(もう一度)」をクリックすると……



新しい写真が現れました。再び左側をクリック。



今度は左側で正解。右側はAIが生成した架空の人物でした。



一体何が違うのだ……?と思いつつさらに回答を続けます。以下の2枚の写真のうち、右側をクリックすると……



間違い。現実に存在するのは左側の人でした。右側の女性は、顔の造作は見事なまでにリアルなのですが、よーく見ると女性の帽子が不自然であるということに気づきます。



どんどん回答を続けます。以下の2枚は右側をクリック。



これも正解。左側の写真は、メインの女性は自然なのですが、その隣の人物が歪んでいるようにも見えます。



この2枚の場合は右をクリック。



これも正解。どちらも自然なのですが、左の人物は首のあたりがやや不自然に見えます。いくつかの正解/不正解を経験してみたところ、どうやら顔の造作よりもその周囲に不自然な部分が現れるようです。



また、以下の2枚であれば右側が正解。左側の人物の背景は抽象画のような感じになっているのに比べ、右側の人物は星条旗というかなり具体的なものであるのが特徴。



これも、「水中にいる人」という具体的な情景がまだAIには作れそうにないな、という基準で右側を選んだところ正解。



さらに「AIはコスプレイヤーというピンポイントの人物を生成できるのか……?」という疑念から左側を選んだところ正解。問題を解き続けていると、現実の人物写真とAIの作った人物写真の違いが何となくわかってくるようになっていました。