シアトル系コーヒーチェーンの台頭で、日本でも日常的に飲まれるようになったエスプレッソ。なかでも、アレンジメニューとしてカフェラテやカプチーノといった形で、様々に販売されている。

 

■そもそもエスプレッソは2種類ある!

エスプレッソとは、コーヒー粉に高い圧力を加えて抽出したコーヒーのこと。しかし、エスプレッソの元祖である「エスプレッソ・イタリアーノ」と呼ばれるイタリアのエスプレッソは、日本ではよく理解されていないのが現状。「スターバックスコーヒー」で知られているシアトル系エスプレッソと、元祖イタリアンエスプレッソは、実は大きく異なっているのはご存じだろうか。

 

■豆の種類から違う!?

コーヒー豆には一般にアラビカ豆、ロブスタ豆という2大品種があり、その中のシアトル系は酸味が強いアラビカ豆のみを使用することが多く、イタリア系は苦味が強いロブスタ豆を25〜50%配合していることが主流。そのため味わい、深いコクと香り豊かな点で根本的におおきく違うのだ。

 

■イタリアに「イタリアンロースト」は存在しない!?

焙煎を極端に深煎りしているイタリアンロースト。その名前からエスプレッソ用の豆と思われがちだが、これは日本独自の文化。イタリアでは基本的にフルシティーローストでの焙煎されるコーヒー豆が使われるのが基本だ。それをあえてイタリアではイタリアンローストとは呼ばないのだ。

 

■イタリア人のエスプレッソへのこだわり:本物のエスプレッソは苦くない!?

イタリアでも、世界同様に「苦い」と思ったコーヒーは美味しくないコーヒーとされている。「濃い・深いコク」と「苦い」は同じではないのだ。

日本では、エスプレッソは苦いものという認識が多いが、意外にも本物のエスプレッソは「苦い」という印象が少ない。本格エスプレッソは、アラビカ豆からの酸味が隠し味として必ずある。(ちょっと時間が経過したエスプレッソを飲めば酸味がはっきりと分かる!)というのは、イタリアのエスプレッソ界にあっても同じなのである。

 

■クレマ

イタリアのエスプレッソファンがこだわるのは、ドリップコーヒーには存在しない「クレマ」。イタリアでは飲む前からクレマを見てエスプレッソを評価しているのだそうだ。理想的なクレマは、濃いヘーゼルナッツ色、泡立ちがきめ細かいこと、クレマに厚みがある、ということである。

そもそも、「クレマ」とは何なのか。この「泡」は、ミルクやビールにもあるが、ジュースや炭酸飲料では立たないものである。また、ドリップコーヒーにも泡はない。

この「泡」の正体は、なんとコーヒー豆の中に含まれる油分。油分に空気で膜をかけ、香りを逃がさないようにしている。肝心なのは空気を含ませることではなく油分が含まれていることなのだ。

この油分には、うま味や香りが凝縮されている。コーヒー豆に高い圧力をかけることで、初めて油分を抽出することができる。圧力をかけずに抽出するドリップコーヒーは、油分が豆の中に閉じ込められたまま豆が捨てられてしまう…

 

■エスプレッソにはお砂糖!

 

クレマに砂糖をたっぷりとかける。沈まないのもポイント

そしてイタリアの愛好家は、たっぷりの砂糖とともに飲む。これもまた日本では珍しいが、世界的には砂糖を入れて完成するのがエスプレッソと考えられている。

 

■エスプレッソの基礎知識を踏まえた上で、改めてカプチーノ・カフェラテ・カフェオレとの違いを知る

カプチーノカフェラテ及びカフェオレの違いをしっかり言える人は珍しいのではないだろうか? そこで本場イタリア・ミラノのエスプレッソマシンブランド『Gaggia』で、基礎知識を改めて知ろう。

 

どれも皆、コーヒー/エスプレッソとミルクの組み合わせではあるけれど…

コーヒー及びカフェ巡りが趣味な人なら、カフェオレとカフェラテの違いは知っているかもしれない。そう、通常のドリップコーヒーをベースにしたのがカフェオレで、フランス系の定番だ。エスプレッソをベースとするのがイタリア系のカフェラテ。

カフェオレにはフォームミルクがなく、カフェラテにはフォームミルクがあるのがカギ。この2点で味と口当たりが大きく変わる。

カプチーノ・カフェラテ・カフェオレ、それぞれの比率は以下のように決まっている。中でも「カプチーノ・イタリアーノ」と正式にイタリアエスプレッソ協会(INEI)に認められるためには、以下の比率で作る必要がある。

 

「カプチーノ(カプチーノ・イタリアーノ)」

正式なカプチーノは、エスプレッソ:1、ミルクフォーム(泡立てミルク):1、ホットミルク(スチームミルク):1の比率。後味はコーヒー。ミルクフォームを作り出すカプチナトーレ付き機種が便利。こうして作られたカプチーノの味わいは、ミルクという名脇役を得た主役エスプレッソという感があり、深みが違う。まさに至福の味わいここにあり。

ちなみに日本で注文すると必ず付いてくるのがシナモンスティック。これはむしろアメリカのカプチーノ習慣なのだとか。本場イタリアではシナモンはカプチーノに必須なものではない。そこで見分けていた人は注意。

 

「カフェラテ」

どちらかというと、ミルクが主役に躍り出るのがカフェラテ。その飲みやすさで、コンビニエンスストアの棚でも数多く見られるが、たまにエスプレッソベースでないものも混じっているので注意が必要だ。

イタリアで「ラテ」を頼むと…

エスプレッソ:2、ホットミルク:8の比率で作られ、後味はミルキー。エスプレッソ特有の深い味わいは、コーヒー牛乳とは似ても似つかない味。ちなみにイタリアで日本のカフェでするように「ラテください」というと、ホットミルクが出てきてしまうので注意!

「カフェオレ」

これはドリップコーヒー:1、ホットミルク:1の比率。エスプレッソマシンは必要ないフランスのドリンクメニュー。

 

■家庭用として日本初上陸したイタリア伝統の味を継承するエスプレッソマシン『Gaggia(ガジア)』。アカデミアは、本格カプチーノ・カフェオレ・カフェラテをミルクの泡の量まで事前プログラムできるスグレモノ!

日本で展開する『Gaggia(ガジア)』のラインナップは6機種。9月28日よりビックカメラ店舗先行で取り扱われている全自動マシン、ビックカメラ限定モデル「ブレラ」のほか、「アカデミア」、「バビラ」、「アニマ BX」、「アニマ DX」が登場。

カプチナトーレ(自動ミルクフォーマー)が付いている「アニマDX」や、ミルクカラフェ式自動ミルクフォーマーの「アカデミア」と「バビラ」は、慣れない人でもお店の味がすぐにできるのがポイント。そして全自動とはいえ、各機種ともに好みで味の調整をできるので、バリエーションを数多く作り出すことが可能だ。

 

唯一のセミオートマシン「クラシック」にはカプチナトーレは付属していないので、スチームを使い別途自力で泡立てるか、専用マシンを用意する必要がある。

写真はバビラ

クラシック:80年の伝統をこのマシンで味わう

近代エスプレッソの生みの親、アキーレガジアの特許から80年。その伝統を引き継いでいるのがセミオートマシン「クラシック」。セミオート式マシンでエスプレッソを美味しく作るにはそこそこのコツが必要だが、クラシックにはバリスタ気分で腕を披露する「プロフィルターホルダー」と、誰でも簡単に失敗なくクレマを出せるオリジナル「パーフェクトフィルタ-ホルダー」の両オプションが付いている。

クラシック