抜群のゴールセンスを発揮した長谷川。なでしこの若きエースが北朝鮮に引導を渡した。(C)Getty Images

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 インドネシア・ジャカルタで開催中のアジア大会サッカー競技は、8月25日に女子の準々決勝が行なわれ、なでしこジャパンは宿敵・北朝鮮と激突した。
 
 過去2大会の決勝で顔を合わせていた両雄のバトルは、立ち上がりからインテンシティーの高い攻防戦に。持ち前のフィジカルタフネスを前面に押し出す前回女王・北朝鮮に対して、日本は素早いパスワークと連動性で対峙。ともにチャンスを掴み合う均衡した展開で推移する。
 
 待望の先制点を挙げたのは日本。40分にCKの流れから岩渕真奈が冷静に押し込んで前半のうちにリードを奪うと、後半の北朝鮮はロングボールを多用する大味な攻撃を繰り返すばかり。日本は効果的なカウンターの回数を増やし、62分にゴラッソで突き放すのだ。長谷川唯が途中出場の菅澤優衣香と浮き球のワンツーを決め、そのまま右足で豪快なドライブショットをねじ込んでみせた。

 
 その後PKで1点を返され、終盤は敵の猛攻に晒されるも2-1の逃げ切りに成功。アジア・サッカー連盟(AFC)の公式サイトは“事実上の決勝戦”とも言われた一戦を速報し、日本の戦いぶりを称えた。
 
「前回覇者で女王の北朝鮮を日本が力でねじ伏せたゲームだ。序盤から実力伯仲の拮抗したゲームが繰り広げられたが、北朝鮮がゴール前でチャンスをフイにしたのに対して、日本はイワブチとハセガワが決めるべきところでしっかり決めた。とくにハセガワの2点目は特筆に値するファインゴールで、甘美なドライブショットで北朝鮮の野望を打ち砕いたのだ。北朝鮮は過去に出場したアジア大会ですべてメダルを獲得してきたが、これだけ早く敗退するのは初めて。かたや日本は試合運びの巧さとチームとしての完成度の違いを見せつけた」
 
 週明けの火曜日に行なわれる準決勝の相手は、韓国に決まった。ファイナル進出を懸けた日韓戦も熱いバトルとなりそうだ。