植物中にあるMYB遺伝子を操作することで野菜や果物の見た目や栄養分、味などを変化できることが、ニュージーランドのPlant & Food Researchで食品研究を行っているアンドリュー・アラン氏らの研究チームによって発見されました。

MYBs Drive Novel Consumer Traits in Fruits and Vegetables: Trends in Plant Science

https://www.cell.com/trends/plant-science/fulltext/S1360-1385(18)30130-4

MYBs generate 'wow factors' in fruits and vegetables | Scoop News

http://www.scoop.co.nz/stories/SC1807/S00045/mybs-generate-wow-factors-in-fruits-and-vegetables.htm

Plant breeding technology could make produce more appealing • Earth.com

https://www.earth.com/news/plant-breeding-technology-produce/

研究チームは植物中にあるMYB遺伝子が植物の外観や風味、質感、栄養成分に影響を与えていることを発見。アラン氏は「このMYB遺伝子をうまくコントロールすることで、健康に良いとされるアントシアニンやカロテノイドを色素の量を増やして、無色の果肉を色付きに変えることもできます」と語っています。

MYB遺伝子は果肉だけでなく、皮の色にも影響を与えており、ジャガイモやリンゴなど皮部分に栄養成分が集まっている作物にも対応できるとのこと。また色以外にも香りや味にも対応しており、MYB遺伝子を操作することでこれらを変化させることもできます。



アラン氏は「MYB遺伝子をうまく調節できるようになれば、既存の果物や野菜を消費者の需要に合わせた魅力的な作物に変化させることが可能になる」と語り、この研究が将来の農業を大きく変える一因になるかもしれないとしています。

2018年現在の品種改良技術には遺伝子組換え技術が存在していますが、アラン氏は「多くの遺伝子組換え技術では新たなDNA配列を追加します。しかし、このMYB遺伝子の操作はDNA配列の追加を必要としません」として、MYB遺伝子を操作した作物の方が健康影響が低いと説明しています。