フードコートで考えたことをまとめた漫画の1カット=すぴかあやか(@spicagraph)さん提供

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 フードコートで食事中に考えたことをまとめた漫画が、SNS上で話題となっています。中学生と思しき女の子がスマホを見ながら食事をしているのを見た女性。スマホを相手に食事をするのは寂しいと思いますが…という内容で、SNS上では「疑問の提起が面白い」「考えさせられる内容」「情報がまとまって読みやすかった」などの声が上がっています。漫画の作者に話を聞きました。

固定観念にとらわれていた自分

 この漫画を描いたのは、デザイナーやイラストレーターとして活動する、すぴかあやかさん(ペンネーム)。デザインの仕事のほか、本や雑誌の挿絵、ウェブサイトのイメージイラストなどを手掛けています。

Q.いつから漫画を描き始めるようになりましたか。

すぴかさん「子どもの頃から漫画が好きで、自然と描くようになりました。今回のような漫画を描くようになったのは、約2年前からです。ツイッターの140文字では伝えきれないことを漫画で表現するようになりました」

Q.いつ漫画を描いていますか。

すぴかさん「漫画によって違いますが、フリーランスなので仕事の空き時間などに描いています。普段からストーリーなどの構想を組み立て、準備ができたら30分〜2時間程度で描きます」

Q.今回の漫画を描いたきっかけ、理由は。

すぴかさん「『スマホ』でできることが増え、つながる世界が広がったので、人それぞれしていることが異なるようになりました。一括りに『ゲームをしている』『遊んでいる』と考えてしまわないように気をつけたい、とこの漫画を描きました。

子どもの頃から、食事の際にテレビを見ることを禁止されていました。また、食事では、『視覚』も『味覚』の一つだと考えていたため、中学生くらいの女の子が一人でスマホを眺めながら食事をしている様子を見て、『何だか寂しいなあ』と思いました。

しかし、別のテーブルにいたグループがワイワイ話しているのを見て、『おしゃべりに夢中で料理は見えていないかも』と考えるようになりました。もし、その女の子もスマホで誰かとおしゃべりに夢中だったとしたら、そのグループと一緒です。

スマホ越しだからといって、『料理を見てほしい』『行儀が悪い』というのは、こちらの勝手な思い込みであると感じ、固定観念にとらわれていたことに改めて気付きました」

Q.読者からはどのような意見が寄せられていますか。

すぴかさん「さまざまな意見を頂きました。『そんなふうに考えたことはなかった』『これは常々思っていた』『スマホをしているだけで決めつけられた経験がある』のほかに、『一人で食事することのどこが寂しい』という否定的な意見もありました」

Q.今後の目標は。

すぴかさん「漫画は、分かりやすく読んでもらう上でストレスの少ない表現方法だと思います。『面白い』だけでなく『伝える』漫画を描いていきたいです」