全米の高校でeSportsが正式に採択、今秋から最低15州でスタート。ただし「銃を撃つゲーム」は除外


全米州立高校協会(NFHS)とNFHSネットワークは、オンラインゲームプロバイダPlayVSと提携し、eSportsを全米の高校で採択する方針を発表しました。今年の秋から高校や州協会でeSportsが正式に導入され、少なくとも15州での展開が予定されています。

対象となるゲームの種類は、スポーツゲームのみならず格闘ゲームやMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ。RTSゲームの要領で操作するチーム戦ゲーム)まで多岐にわたるもの。ただし、FPSを初めとした銃を撃つシューターゲームは除外されています。

NFHSは米国内の高校スポーツを統括し、ルール整備や安全対策を進める組織。各州の高校スポーツ協会はその指導のもとにあり、州ごとに自治されているかたちです。

NFHSネットワーク(高校スポーツを放送するサービス)CEOのMark Koski氏は、高校におけるeSportsが2つの面で素晴らしい選択肢であると述べています。第一にスポーツなどに関わったことがない学生でも参加できること、第二に広範な機器や施設を必要とする伝統的なスポーツと比べてコストが最小限で済むということ。

さらに青少年の72%が定期的にビデオゲームをやっている統計から、より多くの学生に放課後の活動をしてもらえるとして、そのメリットを強調しています。

これらの試合は学校間でのレギュラーシーズンの競技のほか、州選手権は観客の前で行われ、ストリーミング配信も行われると伝えられています。

気になるのが『Counter-Strike:Global Offensive』や『Fortnite』といった人気ゲームを含むシューターカテゴリが除外されること。Mark Koski氏は米Polygonの取材に対して「FPS(一人称視点シューティング)はNFHSの哲学に全く適合しないからです」と応えています。

銃がらみの事件が頻発しているかの国でシューターゲームが「哲学にふさわしくない」とは噴飯ものですが、eSportsが高校生活で公認されるのは大きな前進でしょう。日本を「eSports後進国」とさえ呼ぶ声がありますが、アメリカでの動きが事態を変えるのかもしれません。