業界有数の技術力を持つ鋼板シャーリング加工業者がなぜ倒産?
傷のない仕上げや寸法精度の徹底で得意先の注文に応えることが強みとなり、リピート受注を獲得。鋼材商社筋など約40社の得意先を有していた。営業エリアは大阪府を中心とする近隣府県を対象とし、2003年9月期に売上高約9億6200万円を計上した。
だが、04年9月期に主要取引先からの受注が落ち込み、売上高が急減。15人いた従業員もリストラして5人まで削減したが、不足した運転資金を金融機関からの借り入れに頼らざるを得ない状況に陥った。
この時資金調達のために売上高・利益などを過大に計上した決算書を作成、その後も金融機関ごとに借入先と借入額の内訳が異なる決算書を提出していた。
十数年も粉飾に手を染め続けた結果、取引金融機関は19行に膨らむことになる。ついには金融機関への返済のために資金を調達しなければならない状態に追い込まれ事業継続を断念、17年11月30日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。
突然の倒産に「代表は粉飾決算をするような人物には見えない」「業界でも有数の技術力を有しているはずなのに、リスケもせずにいきなり倒産するのか」といった声が聞かれた。
過大な粉飾に手を染めず、早い段階で関係先に事情を説明して協力を取り付けていれば、ここまで大きな影響はなかったかもしれない。
(文=帝国データバンク情報部)
<企業概要>
中村シャーリング(株)
住 所:大阪市西淀川区中島2-11-98
代 表:中村司氏
資本金:4000万円
年売上高:約9億800万円(16年9月期)
負 債:約17億1000万円
