組み合わせ抽選会をリアルタイムで見ていた名波監督(左)が、その思いの丈を語ってくれた。写真●徳原隆元

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[J1リーグ34節]磐田0-0鹿島/12月2日/ヤマハ
 
「3か国はそれぞれ特長が違っていて、対応が難しいけど、日本にとって良いグループなのかなと。コロンビアとの初戦でブラジル・ワールドカップの借りを返さないといけない選手たちも何人かいると思うし、そこでの試合内容や数字で突破できるかどうか変わってくる」
 
 試合後に名波監督が熱く語ったのが、ロシア・ワールドカップの組み合わせについてだ。現地時間12月1日に実施された抽選会の結果、日本はポーランド、コロンビア、セネガルと同居するグループHに入ることが決まった。その印象は、「コロンビアは以前より力が落ちているのかなと思うし、ポーランドもユーロ2016の時よりは劣る。不気味なのはセネガル」だという。
 
 2010年の南アフリカ・ワールドカップ以来のグループリーグ突破に向け、「3試合で最低でも勝点4は欲しい」と語った指揮官は、「1勝することを目標にしてしまうと、それすらも達成できないかもしれない。ベスト8、ベスト4を目指してやって欲しい」と熱いエールを送った。
 
 ちなみにポーランドと言えば、守護神・カミンスキーの母国。シーズンを通して安定感のあるセービングを披露してきた背番号21は、「試合はもちろん興味があります。日本でプレーしているといっても、私はポーランド人なので母国を応援しますよ(笑)。もちろん、両国ともベスト16に行ければ良いですね」と胸の内を明かす。
 
 3大会ぶりに本大会へ出場するポーランドは、FIFAランキング7位の強豪だ。そう簡単に倒せる相手ではないとはいえ、勝機はありそうだという。
 
「今のポーランド代表はとても調子が良いですし、フィジカルが強い。ただ、日本の選手たちは才能豊かな選手が揃っていて、テクニックがある。その部分を押し出せれば、十分チャンスがあるとは思います。2002年の日韓ワールドカップでベスト4に入った韓国は、グループリーグで我々を倒しています。そのイメージもあって、“アジアは手強い”という印象を国民は持っているはずです」
 
 現役の監督、選手も組み合わせに注目していたロシア・ワールドカップは来年の6月14日に開幕する。日本代表の戦いはもちろんのこと、日本にゆかりのある選手の母国をチェックするのも一興だろう。
 
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)

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