問題のシーンは、外国ではサッカー中継の中でしきりにリプレーされる。オフサイドか否か、反則か否か、繰り返し紹介する。そのしつこさが日本のメディアにはまるで欠けている。臭いものには蓋をする事なかれ主義が目立つ。審判委員会の姿勢より、むしろ大きく遅れている。これではファンの見る目は上がらない。ジャッジに対する意識も上がらない。

 名古屋対千葉戦のジャッジは、次回のレフェリーブリーフィングでどう解説されるのか。興味深いが、問題はこの誤審が起きた原因だ。見て見ぬ振りをしたのか。主審及び副審の死角で起きた事件なのか。後者だとすれば、この試合をレフェリー4人体制で行ったことに問題がある。

 審判委員会の説明によれば、すべての試合を6人体制で行うには、現状では審判の絶対数が足りないとのことだった。だとすれば、なおさら、J1昇格プレーオフは、別の日に開催されるべきだったのだ。

 繰り返すが、千葉対名古屋は、名古屋のゴールが2ランホームランに値する、1点が1点以上の価値を持つ特異な試合だ。レフェリー6人体制で行うに値する試合だったのではないか。この誤審と過密日程は深い因果関係で結ばれているように思われる。