20歳のズベレフ「ブレークスルーを確信してる」。2008年以来最年少で出場するツアー最終戦について

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ATP公式サイトは、2008年以来の最年少記録で「Nitto ATPファイナルズ」出場が決まった、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)について報じた。

ズベレフはATPワールドツアーで驚くほど好調な一年を過ごしているが、もし彼にそのことを尋ねれば、まだまだ達成するべきことがある、と答えるだろう。

多くのプレイヤーは、厳しいシーズンから身体的・精神的に疲れ始めているだろうが、先週の「Nitto ATPファイナルズ」で地位を確立した20歳のズベレフは、まだまだエネルギーが有り余っていると言う。

「外に出て行き、ベストを尽くして、しっかりすべての試合でプレイして、どうなるのか試して見るしかないんです」「今後の試合への準備はできています。ヨーロッパでの次なる大きな試合にも、当然ロンドンにもね」とズベレフは語る。

「全米オープン」の二回戦でボルナ・チョリッチ(クロアチア)に喫した屈辱の敗戦のあと、ズベレフは2017年終盤に復調するための準備として、トレーニングを中断した。「敗戦のあと、5日間は何もせずに過ごして、そのあと10日間は身体トレーニングのみを行いました。実際のところ、ちょっとしたオフシーズンですね」ウェイトを持ち上げ、トラックを走り終えたズベレフは言う。「あまりに長いこと、ラケットを離していませんでした。「全米オープン」の結果がどうであっても、私は5日間は予定を空けたはずです。私は単にその5日間をトレーニングに使いました。それでも、私は家にいて、モナコの空気も少し楽しんでいました。また海辺にもいたことで精神的に回復しました」

5つの選手権でロジャー・フェデラー(スイス)との2度のタイブレークを経験した、ATPランキング5位のズベレフには、これは朗報に過ぎない。ランキング1位のラファエル・ナダル(スペイン)は、「チャイナ・オープン」で6度目の優勝を飾り、ズベレフは準決勝まで進出した(ニック・キリオス(オーストラリア)との試合)。

しかし、ズベレフが2008年のフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)以来、「Nitto ATPファイナルズ」に参加が認められた最年少選手となった一方で、グランドスラムでの彼の結果を指摘する者もいる。彼の最高成績は「ウィンブルドン」でのベスト16であり、グランドスラムではズベレフは毎度厳しい戦いに直面している。

「「全米オープン」は別としてグランドスラムの試合でひどい負け方をしたことはありませんが、「全米オープン」は最悪でしたね。ダメなプレイをしてしまったと思います」また、「それ以外だと、ラファエル(・ナダル)には「全豪オープン」で5セットで負けました。前年の決勝戦に出場したミロシュ(・ラオニッチ)には、「ウィンブルドン」で5セットで負けましたね。「全仏オープン」も、フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)が、私を追い詰めました」とズベレフは認める。

これらの敗北は、ATPワールドツアー・マスターズ1000(ローマ、モントリオール)での2度の優勝といった、ズベレフが2017年に達成した業績を損なうものではない。

「明らかに、私はブレークスルーを待っています。いや、待っているのではなくたくさんの練習をしています」「ブレークスルーが来ることを、私は強く確信しています」とズベレフは語った。

若手最有力のズベレフが、今後ナダルやフェデラーに続いてどこまで成長してゆくのか、今からますます目が離せない。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」出場を決めているズベレフ(上海ロレックス・マスターズのときのもの)
(Photo by Lintao Zhang/Getty Images)