世界屈指の経済大国となった中国。世界の工場として知られる中国は貿易大国でもある。中国製品を差して「安かろう悪かろう」という言葉もいまだに聞かれるが、質の良い製品を作り出すという点において、中国はまだ消費者が本当に満足できるものを作り出せていないのが現状だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界屈指の経済大国となった中国。世界の工場として知られる中国は貿易大国でもある。中国製品を差して「安かろう悪かろう」という言葉もいまだに聞かれるが、質の良い製品を作り出すという点において、中国はまだ消費者が本当に満足できるものを作り出せていないのが現状だ。
 
 一方、中国政府は製造業の高度化を通じて、中国を2025年までに製造強国の仲間入りさせるためのロードマップを打ち出しているが、果たしてこれは実現できるのだろうか。
 
 中国メディアの河北新聞網はこのほど、「質の高い製品を作り出す点で他国から何を学べるか」という記事を掲載し、中国製品の品質を向上させるために必要なことは何かを探っている。
 
 記事は、「19世紀、ドイツ製の製品は非常に質が悪かったが、徐々に安くても質の良い製品を作り出していった」ことを紹介。そして日本製品についてもドイツ製に並んで世界的に高い評価を得ていることを指摘し、「ドイツと日本が製造業の分野で成功を収めることができたのは、品質を重視したものづくりを行っていることに他ならない」とした。
 
 続けて、ドイツや日本、そして韓国など製造強国が高い品質の製品を生み出せる背景には「研究と教育、そして体系立てられたトレーニングが存在する」とし、業界団体が自主規格を設けていたり、厳格なリコールシステムを設けたり、業界としての報奨制度を設けることなどを通じて、「製造業全体で高い品質を追求する環境」を整備していることが挙げられると論じた。
 
 さらに、中国の製造業に欠けているのは「業界全体で統一された規格」であり、規格があってこそ高い品質の製品を業界全体で作ることができ、高い品質があってこそ世界に通じるブランドを構築でき、消費者から高い評価を得ることができると主張。中国製造業が全体として高い品質を持つ製品を絶えず作れるようになるにはまだまだ歩むべき道のりは遠いとしている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)