iPhone 7 Plus対抗のデュアルカメラ光学ズームZenFone 3 Zoomが日本ではZenFone Zoom Sになったワケ

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ASUS JAPAN(以下、エイスース)がSIMフリースマートフォン(スマホ)「ZenFone Zoom S(型番:ZE553KL)」を2017年6月23日(金)に発売した。価格はオープンながら希望小売価格が54,800円(税別)だ。

最大の特長はiPhone 7 Plusと同じように背面にレンズの焦点距離が違うレンズのカメラを2つ搭載することで擬似的な光学ズームに対応した点となる。

iPhone 7 Plusでは通常は35mm換算で28mm相当の広角レンズ(F1.8)で撮影し、望遠域は35mm換算で56mm相当の望遠レンズ(F2.8)を利用して約2倍の光学ズームとなっている。

これに対し、ZenFone Zoom Sでは広角レンズ(F1.7・6枚構成)が25mm相当、望遠レンズ(F2.6・5枚構成)が59mm相当(ともに35mm換算)により、約2.3倍の光学ズームとなる。
操作方法もiPhoneと同じようにボタンをタッチすると自動的に通常モードと光学ズームモード(約2.3倍)が切り替わる。

両機種を比べると、ZenFone Zoom Sのほうが通常の撮影はより広角で明るく、光学ズーム時も倍率が高く明るくなっている。またエイスースでは新たにノイズの低減などを行う「ASUS SuperPixel Camera」技術も合わせてiPhone 7 Plusよりも2.5倍程度明るく撮影できるとしている。


筆者もiPhone 7 Plusで便利にズームを使っているが、連続的なズームではないものの、意外とスイッチ式で切り替えてズームできる仕様も使いやすい。

また、ZenFone Zoom Sは標準でRAW形式もサポートしており、マニュアル撮影も充実しているため、カメラ好きには楽しめそうな機種となっている。

なお、フロントカメラもZenFone Zoom Sは広角レンズ(F2.0・6枚構成)の約1300万画素と性能は高く、すべてのレンズはLargan製、センサーはソニー製(前面は「IMX214」、背面は「IMX362」×2)を採用している。

一方、ZenFone Zoom Sは海外では「ZenFone 3 Zoom」として発表され、すでにかなり前から販売されている機種だが、日本では発売が遅れたこともあって名称も変更された。

ASUSTeK Computerでは市場によって製品名(ペットネーム)を変えて投入していることはあるのでそれほど珍しいことではないが、今回の変更は次の「ZenFone 4」(仮称)シリーズの投入が近いことを匂わせる。

その理由は、「ZenFone 3」が昨年の流れを汲むシリーズ名であること。
次のシリーズが発表・発売されてしまうとZenFone 3の名称が付く製品は、型落ちとして売りにくくなる。
現時点でZenFone Zoom Sを海外と同じZenFone 3 Zoomの製品名で発売してしまうと、商品寿命が短くなってしまう恐れがあるということだろう。

ちなみに日本では同時発売となった「ZenFone AR(型番:ZS571KL)」は、元々ZenFone 3シリーズには含まれていないためにそのままの名称となっている。

日本では製品名を変えたことで、もし次のシリーズが発表・発売されても、
ZenFone ARはAR・VR両対応の最上位モデルとして、ZenFone Zoom Sは光学ズーム対応モデルという特徴を活かした製品として販売されていくと見られる。

●ZenFone Zoom S ZE553KLの主な仕様
画面   :5.5インチFHD有機EL(Super AMOLED)
大きさ  :154.3×77×7.9ミリ
重さ   :170g
本体色  :ネイビーブラック、シルバー
SoC   :Qualcomm製「Snapdragon 625」(2.0GHz×8コア)
メモリー :4GB RAM
ストレージ:64GB eMCP、microSDXCカード(最大2TBまで)
バッテリー:5000mAh(取外不可)
カメラ  :背面約1200万画素+約1200万画素、前面約1300万画素
通信   :Wi-Fi(IEEE802.11b/g/n)、Bluetooth 4.2
位置情報 :A-GPS・GLONASS・Beidou
センサー :加速度、近接、照度、RGB、ジャイロ、指紋、電子コンパス
端子   :3.5mmイヤホンマイク端子、USB Type-C端子(USB 2.0)
その他:au VoLTE、DSDS(3G・4G)、CA


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