韓米首脳会談での文在寅大統領(左)とトランプ大統領(右)による北朝鮮核問題の協議内容に注目が集まる=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が6月末に予定される韓米首脳会談を前に、核・ミサイル挑発を繰り返す北朝鮮に対しまずは制裁と圧力を強化し、将来的に交渉を模索する方針を固めた。

 文大統領は、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて30日に行った日本の安倍晋三首相との電話会談で「首相のお言葉通り、(今は)北と対話する時期ではなく、制裁と圧力を強めるときだという認識を共有する」と述べた。
 ただ文大統領は、制裁の必要性を認める一方で「究極の目標は、完全な核廃棄のための交渉テーブルに北を引き出すことであるべきだ」とも指摘。制裁と圧力を経て、最終的には交渉により北朝鮮の核廃棄を実現させる考えを明確にした。
 文政権は南北関係の改善に強い意欲を示しているだけに、制裁強化に言及しつつも、行動の面では保守系の朴槿恵(パク・クネ)前政権のように制裁の先頭に立つというより、同調する程度にとどめるともみられている。
 それでも、北朝鮮に対しまずは制裁・圧力を強め、後から交渉するという政府方針を固め、これを韓日首脳の電話会談で明言することで、韓米首脳会談を前に米国を中心とした国際社会の制裁ムードに歩調を合わせる姿勢をみせた。北朝鮮は文大統領が今月10日に就任してから3回にわたり弾道ミサイルを発射しており、今の段階で北朝鮮との対話模索を強調しても米国の共感を得難いと判断したとも考えられる。
 外交関係者らは、文大統領がこうした対北朝鮮政策の基本方針を整理したことから、韓米首脳会談で北朝鮮核問題を巡り大きな摩擦が生じる可能性は低いと見込む。
 北朝鮮に対する制裁と圧力の強さや内容、対話再開に向けた条件などを巡っては温度差があり得るものの、当面は制裁と圧力を強化しつつ、最終的には交渉で核問題を解決するという共同の路線を確認できるとものと予想している。
 ある外交筋は「(文大統領とトランプ大統領による)初の韓米首脳会談では、大枠での対北政策方向を確認し、細かい事案は両政府の当局者による協議に委ねることで一致する可能性が高い」と話している。
tnak51@yna.co.kr