土星に関する多くの発見を成し遂げた探査機「カッシーニ」が終焉へ、最後は土星の環の中を通るミッションを経て2017年9月には土星の大気で蒸発
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1997年に打ち上げられ、20年に及ぶ探査の月日を歩んできたNASAの土星探査機「カッシーニ」が最期の瞬間を迎えようとしています。2017年4月22日には土星の衛星「タイタン」に最後の接近調査を行い、その後は土星の環と土星の間を通過するコースを含む22度にわたる周回を行って調査を実施し、2017年9月15日には土星の大気に突入してその一生を終えることになっています。
Cassini: Mission to Saturn: Cassini Heads Toward Final Close Encounter with Titan
正式名称を「カッシーニ・ホイヘンス」というカッシーニは、NASAと欧州宇宙機関(ESA)によって開発・運用されてきた土星探査機です。1997年にアメリカ・フロリダ州ケープカナベラル空軍基地LC40発射台から打ち上げられ、数度のスイングバイを行って土星を目指し、2004年6月30日に土星軌道への投入に成功しました。その後は、惑星探査機「ホイヘンス・プローブ」を切り離して衛星タイタンに着陸させて貴重なデータを収集、また衛星エンケラドゥスが氷のプルームを活発に吹き上げていることを発見したり、土星の北極に存在する6角形のジェット気流の様子を初めて完全に観察し、土星両極の巨大なハリケーンを発見するなど、数々の科学的発見を導いてきました。
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そんなカッシーニは日本時間の2017年04月22日(土) 15時8分、タイタンへの127回目かつ最後となるフライバイを実施し、最後のタイタンのデータ収集を実施します。機体に搭載されたレーダー・マッパーを使って、タイタン表面の氷のメタンの湖に浮かぶ謎の島「マジック・アイランド」の地形データを収集しつつ、イオン・中立質量分光計を使ってタイタンの周囲に存在するイオンや中立粒子のサンプルを採集して、タイタンの大気密度などを測定します。
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そして、タイタンへの最後のフライバイにより、カッシーニの軌道はタイタンの重力によって影響を受け、土星を周回する軌道へと遷移します。軌道変更後は土星を22回周回する軌道に乗り、土星の環の中を通るフライバイを行って最後のデータ収集を行います。
その後、カッシーニは22回目の周回の最後で土星の大気に突入して最期の瞬間「グランドフィナーレ」を迎えます。以下のムービーでは、カッシーニの軌跡とグランドフィナーレを迎えるカッシーニの姿が描かれています。
CASSINI’S GRAND FINALE on Vimeo
20年に及ぶミッションを実施してきたカッシーニは、ついに機体を制御する燃料が尽きて最期の時を迎えようとしています。
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カッシーニは1997年10月15日、ケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられ、土星への長い旅を開始しました。
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惑星の引力を利用して加速する「スイングバイ」を繰り返したカッシーニは、2004年6月30日に土星の軌道に投入されました。
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2005年1月14日には、搭載していたホイヘンス・プローブが衛星「タイタン」への着陸に成功。
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2007年9月10日には、表面が暗い部分と明るい部分に非常にはっきりと分かれているという特徴を持つ衛星「イアペトゥス」に接近して調査を実施。
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2009年7月8日には、タイタンに液体が存在していることを確認。
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2015年10月28日には、衛星「エンケラドゥス」が氷のプルームを活発に吹き上げていることを発見。
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そしてカッシーニは、土星そのものの最期の調査ミッションに挑みます。
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2017年4月26日、「グランドフィナーレ」の幕が開きます。
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最期のミッションでカッシーニは、これまで成し得なかった貴重な調査を実施。それは、土星の環と土星の間を通過して、土星近傍のデータを収集するというもの。
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そのデータは、これまで誰も得ることができなかった貴重なものになるはず。土星の環の起源を知る、貴重なインサイトを得られると期待されています。
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土星は、地球のおよそ9倍という直径を持つガス惑星。そんな土星から見る環はこんな感じなのかも。カッシーニは、これまでで最も土星に近く接近した人工物になります。
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そして22周目のフライバイで、カッシーニはその一生を閉じます。土星の大気に突入し、高速で飛行する機体には強い力がかかります。
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そんな状況でも、カッシーニは地球に常にアンテナを向けるようプログラムされており、最期の瞬間まで得られる貴重な土星の大気のデータを地球へと送り続けます。
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高度が下がり、徐々に大気との摩擦が強くなると……
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カッシーニの機体は熱に耐えきれなくなり、崩壊が始まります。
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そして2017年9月15日、ついにカッシーニは粉々に散らばり、蒸発して土星の大気の一部となって一生を終えることになる予定です。
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