友人の息子に集められた寄付金をギャンブルで使い果たした女(出典:http://www.express.co.uk)

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多くの人からの善意により集められた友人の息子への寄付金を、ある女がギャンブル目的で引き出し全て使い果たしていた。このほどその女に、10か月の実刑判決が下されたことを英『Express』など複数メディアが伝えたが、世間からは「刑期が短すぎる」という怒りの声があがっている。

人格障害を患う夫、10歳、2歳、生後10か月の3人の子供と英ドーセット州クライストチャーチに住むシャーリーン・マックネイリー(30歳)。彼女は子供時代からの友人アレックス・カイリローさん(32歳)の息子で9歳のオリバー君が余命幾ばくも無いと知り、オンライン募金サイト「GoFundMe」にアカウントの開設を申し出た。しかしシャーリーンは7か月間で集められた寄付金2123.54ポンド(約29万円)全てを習慣化していたギャンブルに投じ、その後息子を亡くしたアレックスさん家族を悲しみのどん底に突き落としたのだ。

当時のオリバー君は脳腫瘍を患っており、診断を受けた時には既に末期の状態だった。地元でタクシー会社を経営していたアレックスさんは、病に伏せる息子の側にいてやりたいという気持ちから、生活が苦しくなることを承知で会社を閉鎖し、妻のエイミーさん(29歳)と共に病院でつきっきりの日々を送っていた。しかし診断から8か月後の昨年2月、オリバー君は他界した。

オリバー君のために設置されたアカウントの寄付金は、管理者だったシャーリーンからアレックスさん家族のもとへ届けられるはずだった。ところがアレックスさんがオリバー君のための葬儀費用を渡してほしいと再三連絡を試みるも、シャーリーンは「サイト側が寄付金を差し押さえている」といった嘘をつき、そのお金でオンラインのビンゴやスロットマシーンなどギャンブル三昧の日々を送っていたのだ。しかもギャンブルで得た利益で、自分の家族にプレゼントを購入していたという。

シャーリーンは購入した高価なギフトや結婚式の計画を立てていることをSNSに投稿していたが、それを見て不審に思ったアレックスさんがサイト側に問い合わせたところ、寄付金がシャーリーンによって全額引き出されていたことを知った。シャーリーンは窃盗罪で逮捕されてから判決が出るまでの間に、計画通り今年2月に自身の結婚式まで挙げていたのである。

アレックスさんは「あまりにも酷すぎます。私たち家族は彼女のことを信じていました。自分の友人が大変な状況の時に、よくもこんなことができるものだと裏切られた気持ちと怒りでいっぱいです。自分たち家族のために親切に寄付をしてくださったみなさんにお金が盗まれたことを説明しなければならず、大変な罪悪感を抱きました」と話している。

息子の葬儀代や生活費にもお金がかかる。そんなアレックスさん一家にとって、寄付金は必要不可欠のものだった。両親が辛い立場に立たされているのを感じたのだろう、オリバー君の弟ハリー君(8歳)は「これで食べ物を買って」と両親に自分の貯金箱を差し出したそうだ。

「オリバーのためのアカウントは、あの女にとってはドル箱でしかなかったのです」とエイミーさんは語る。ボーンマス刑事法院の裁判ではたった10か月の実刑判決となったシャーリーンに対しても「あの女が懲役刑になったことへの安堵はありますが、刑期には満足していません」と述べた。世間からも「10か月なんて冗談だろ、最低でも4年は刑務所に入れろ」「こんな奴はまた同じことを繰り返すに決まってる」といった批判の声があがっている。

出典:http://www.express.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)