毎日のようにイベントが開催され、夏と冬には50万人以上を動員する「コミックマーケット(コミケ)」の会場となる「東京ビッグサイト」(東京都江東区)。電車、バス、果ては水上バスなどの複数のルートで向かうことができる場所だが、足の1つだった「kmフラワーバス」が、2017年5月31日をもって廃止となる。

浜松町駅とビッグサイトを結ぶこの路線。廃止自体は、1月23日から公式サイトやバス停などで発表されていたが、4月に入って春の気配も強まり、来る「夏コミ」も近づいてきたこともあり、改めて注目を集めている。

「ゆっくり座って帰れる穴場」

「kmフラワーバス」の運行開始は、2013年4月。同じ区間を走っていた都営バス「虹01系統」の廃止を受け、タクシーで有名なkmグループのケイエム観光バスによって、設定された路線だ。運賃は大人210円、小学生100円。PASMOやSuicaが使えない代わりに、電子マネー「iD(アイディー)」で支払える。

コミケ開催中は、りんかい線とゆりかもめを主力に、期間中は交通機関がフル稼働する。都内からは臨時便を出すバスもあり、多様な手段で人々は現地へ向かう。

鉄道には特に人が集中するため、混雑がゆるく、帰りの便では座ることも可能だったフラワーバスの廃止には、多くの人が悲しみのツイートを投稿した。

ただ、「穴場」と称する人がいるなど、コミケシーズンの臨時便が発着する時期においても利用客数は極端に多い、ということはなかったようだ。そのため、すでに極度に混んでいる他の交通機関に利用客が流れたとしても、混み具合が悪化するということもなさそうだ。

夏冬のここへ向かう路線が1つ減る。(MiNeさん撮影。flickrより)