“ネコの町”東京・谷中で聞いた「ネコがいる暮らしって、どう？」
東京の声とシンクロするTOKYO FMの番組「シンクロのシティ」。ボイス収集隊が東京の街に繰り出し、様々な人々に声をかけ、1つのテーマについてその人の意見や思いを聞き出します。その声を聴き、リスナーと共に考えるのはパーソナリティの堀内貴之。
2月14日のテーマは「谷中の猫」でした。今、東京で住民の人たちが共同で世話をする、「地域猫」が増えています。商店街の目立たない植え込みにトイレを置いたり、ふん尿の掃除はエサをあげる人が責任を持って行ったり。人と猫の共存を目指して猫の世話をする「地域猫ボランティア」の人々が増えているのだそう。その草分け的存在となっているのが、台東区。特に「猫の町」のイメージが強いのが谷中です。今回はあちこちに猫が出没する谷中で、「猫がいる暮らし」についてお話を聞いてきました。
（TOKYO FM「シンクロのシティ」2017年2月14日放送より）
猫の町・谷中で聞いた「猫がいる暮らし」
まずは谷中で猫と共に暮らす人々の声。
◆ 60代の女性
元気で親切なお母さん。お店入り口の隅に、そっと猫のご飯が出してありました。
「そうですね、いるのが当たり前って感じですね。それが自然で、可愛がられています。路地に入っても墓地に入ってもお寺さんの傍にも猫がいっぱいいますよ〜。
（この辺の猫って野良ですか？ 飼い猫ですか？）
野良ちゃんが多いとは思います。皆さんでご飯あげて地域やボランティアで見守っている人がけっこういますよ。
（ここで商売されていて、猫は悪さしませんか？）
全然しないですよ〜カワイイですよ。“ニャ〜”って来るからわかった、わかった、ご飯ね！って出してますよ（笑）。ほのぼのと温かい存在です。アタシはね！
（猫好きに何か感じる部分ってありますか？）
やっぱり皆さん優しいですよね〜」
◆73 歳と 39 歳の男性
谷中銀座入り口の角打で一杯やっていた地元の方たち。
「今日寒いんで……。寒い日は出て来ないね。猫を愛している町なんで、夕焼けだんだんの下に水を住民の方が置いてたりして優しいですね！
（この酒屋にも猫がいると聞いたんですけども）
いますいます、ミースケです。看板猫ですよ。オスです！ 12、3歳くらい。
（お父さんも猫が好き）
じゃぁ俺の猫見せてあげる。……あ、ダメだ！ 今日（写真）持ってきてねーだ。
（普段飼ってるんですね！）
猫に飼われてんのよ。雑種だよ！ 名前無い（笑）。
（猫のどんなトコが好き？）
飼い主を飼い主と思ってないトコ！ 自分勝手で都合の良いようにしか生活してないトコ！」
◆48歳の女性
「そこにいるのが普通。今、地域猫ちゃんになっていて、片耳が切れてる猫ちゃんは去勢してあって。いつもいる猫がいないとどうしたのかなーって。
（お気に入りの猫ちゃんも？）
います。公園に決まった猫がいて、白と黒のブチとか、トラとか。子どももちっちゃい時から見てるのでそれを写真撮って今日こんなにいたよって。もうお家で飼ってる猫のように普通です。猫がいるのが普通。餌をあげても片付けて、ペットが飼えない人にとっては嬉しいですよ。みんなの猫ちゃんだから。結構心得ていて、逃げないんです。よその人が写真撮ったり撫でたりしても逃げないです。
（観光客も増えてますが）
いいと思うし、そういう景色も含めて好きになってくれると嬉しいですよね」
そう、谷中には猫を目当てにカメラを持って遊びに来る人もたくさんいます。お次はそんな方々の声。
◆21歳の女性2人
「大学の卒論の研究テーマに谷中を選んだので来ました。谷中銀座に猫がいるってことで、私も猫が大好きなので選びました（笑）。お店の屋根とかにネコの置物とか置いてあったり、雑貨屋さんも猫推しなので無くてはならない存在なのかな〜と」
「（猫を見つけて）あ！ ほらほらほら！ あそこあそこ！ ヤバいヤバい（笑）可愛い！」
◆21歳のカップル
「今日は初めて彼氏と行ってみようと来てみました！ さっき黒猫に1匹会いました〜。
（今日は猫の写真撮れました？）
はい！ これがさっき見た猫です。黒猫でした！ すぐ逃げちゃいました（笑）」
◆60代の男性
最後に、谷根千観光案内所の方にもお話を伺いました。
（実は今日、猫に会ってないんです……）
「まぁ、人通りの多いところにはまずあんまりいないのと、皆でミーティングしてるような所が何ヵ所かあるんですけど。路地入って行って、ひっそりした所。あとこの時間は寒いので、日が照ってて人通りの少ない所に行けばいます。たむろしてるのと、一匹でいる猫がいますから。この地域の人は街猫っていって、ご飯だけあげて外にいるって猫もいるし、飼い猫だけど、出たり入ったりしている子もいます。飼い猫同士とか集まったりとかしてるみたい。
（観光案内所に猫のこと聞きに来たりします？）
すごい多いですよ。よく聞かれて困るんですけど、“どこに行ったらいるんでしょうか？”って。海外にキャットタウンとして情報がいってるので、それで来るんですよね。外国の人も。
（どこって教えるんですか？）
あんまり教えないんです。みんな行っちゃうと、住宅地だから。谷中の良さっていうのは観光地ではない普通の暮らしだから、観光客の方と上手くやっていくにはそのほうがいいかなと思いました。猫がのんびりできる場所だから、みなさんもホッとする場所になるんだと思います」
【新しい猫との暮らし方を見出した、谷中の街】
堀内貴之はこんなコメントをしていました。
「猫といると、実生活以外のもうひとつの生活があるっていうか、もうひとつの地球の歩き方があるような、そんな気持ちになるんですね。僕も20代の時に住んでた部屋に猫がよく来てたから毛布を置いといたんです。そうしたらそこで子どもを産みまして。ある時急に全員いなくなっちゃったんですけど、大家さんに見つからないかヒヤヒヤしました。谷中の人たちはボランティアの人たちが頑張って猫との距離感を保ちつつお世話をしていて、今とてもいい時期なんだな、と。街の人たちも猫の話をふると、なんだか嬉しそうですもんね」
私たちに最も近い野生生物ともいえる、野良猫。自由を好む彼らと、適度な距離感で暮らす谷中の人たち……。猫を語る彼らの声は、とても柔らかく、優しさに溢れているように聞こえました。
＜番組概要＞
番組名：「シンクロのシティ」
放送日時 ：毎週月〜木曜15：00〜16：50
パーソナリティ：堀内貴之、MIO
番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/city/
2月14日のテーマは「谷中の猫」でした。今、東京で住民の人たちが共同で世話をする、「地域猫」が増えています。商店街の目立たない植え込みにトイレを置いたり、ふん尿の掃除はエサをあげる人が責任を持って行ったり。人と猫の共存を目指して猫の世話をする「地域猫ボランティア」の人々が増えているのだそう。その草分け的存在となっているのが、台東区。特に「猫の町」のイメージが強いのが谷中です。今回はあちこちに猫が出没する谷中で、「猫がいる暮らし」についてお話を聞いてきました。
猫の町・谷中で聞いた「猫がいる暮らし」
まずは谷中で猫と共に暮らす人々の声。
◆ 60代の女性
元気で親切なお母さん。お店入り口の隅に、そっと猫のご飯が出してありました。
「そうですね、いるのが当たり前って感じですね。それが自然で、可愛がられています。路地に入っても墓地に入ってもお寺さんの傍にも猫がいっぱいいますよ〜。
（この辺の猫って野良ですか？ 飼い猫ですか？）
野良ちゃんが多いとは思います。皆さんでご飯あげて地域やボランティアで見守っている人がけっこういますよ。
（ここで商売されていて、猫は悪さしませんか？）
全然しないですよ〜カワイイですよ。“ニャ〜”って来るからわかった、わかった、ご飯ね！って出してますよ（笑）。ほのぼのと温かい存在です。アタシはね！
（猫好きに何か感じる部分ってありますか？）
やっぱり皆さん優しいですよね〜」
◆73 歳と 39 歳の男性
谷中銀座入り口の角打で一杯やっていた地元の方たち。
「今日寒いんで……。寒い日は出て来ないね。猫を愛している町なんで、夕焼けだんだんの下に水を住民の方が置いてたりして優しいですね！
（この酒屋にも猫がいると聞いたんですけども）
いますいます、ミースケです。看板猫ですよ。オスです！ 12、3歳くらい。
（お父さんも猫が好き）
じゃぁ俺の猫見せてあげる。……あ、ダメだ！ 今日（写真）持ってきてねーだ。
（普段飼ってるんですね！）
猫に飼われてんのよ。雑種だよ！ 名前無い（笑）。
（猫のどんなトコが好き？）
飼い主を飼い主と思ってないトコ！ 自分勝手で都合の良いようにしか生活してないトコ！」
◆48歳の女性
「そこにいるのが普通。今、地域猫ちゃんになっていて、片耳が切れてる猫ちゃんは去勢してあって。いつもいる猫がいないとどうしたのかなーって。
（お気に入りの猫ちゃんも？）
います。公園に決まった猫がいて、白と黒のブチとか、トラとか。子どももちっちゃい時から見てるのでそれを写真撮って今日こんなにいたよって。もうお家で飼ってる猫のように普通です。猫がいるのが普通。餌をあげても片付けて、ペットが飼えない人にとっては嬉しいですよ。みんなの猫ちゃんだから。結構心得ていて、逃げないんです。よその人が写真撮ったり撫でたりしても逃げないです。
（観光客も増えてますが）
いいと思うし、そういう景色も含めて好きになってくれると嬉しいですよね」
そう、谷中には猫を目当てにカメラを持って遊びに来る人もたくさんいます。お次はそんな方々の声。
◆21歳の女性2人
「大学の卒論の研究テーマに谷中を選んだので来ました。谷中銀座に猫がいるってことで、私も猫が大好きなので選びました（笑）。お店の屋根とかにネコの置物とか置いてあったり、雑貨屋さんも猫推しなので無くてはならない存在なのかな〜と」
「（猫を見つけて）あ！ ほらほらほら！ あそこあそこ！ ヤバいヤバい（笑）可愛い！」
◆21歳のカップル
「今日は初めて彼氏と行ってみようと来てみました！ さっき黒猫に1匹会いました〜。
（今日は猫の写真撮れました？）
はい！ これがさっき見た猫です。黒猫でした！ すぐ逃げちゃいました（笑）」
◆60代の男性
最後に、谷根千観光案内所の方にもお話を伺いました。
（実は今日、猫に会ってないんです……）
「まぁ、人通りの多いところにはまずあんまりいないのと、皆でミーティングしてるような所が何ヵ所かあるんですけど。路地入って行って、ひっそりした所。あとこの時間は寒いので、日が照ってて人通りの少ない所に行けばいます。たむろしてるのと、一匹でいる猫がいますから。この地域の人は街猫っていって、ご飯だけあげて外にいるって猫もいるし、飼い猫だけど、出たり入ったりしている子もいます。飼い猫同士とか集まったりとかしてるみたい。
（観光案内所に猫のこと聞きに来たりします？）
すごい多いですよ。よく聞かれて困るんですけど、“どこに行ったらいるんでしょうか？”って。海外にキャットタウンとして情報がいってるので、それで来るんですよね。外国の人も。
（どこって教えるんですか？）
あんまり教えないんです。みんな行っちゃうと、住宅地だから。谷中の良さっていうのは観光地ではない普通の暮らしだから、観光客の方と上手くやっていくにはそのほうがいいかなと思いました。猫がのんびりできる場所だから、みなさんもホッとする場所になるんだと思います」
【新しい猫との暮らし方を見出した、谷中の街】
堀内貴之はこんなコメントをしていました。
「猫といると、実生活以外のもうひとつの生活があるっていうか、もうひとつの地球の歩き方があるような、そんな気持ちになるんですね。僕も20代の時に住んでた部屋に猫がよく来てたから毛布を置いといたんです。そうしたらそこで子どもを産みまして。ある時急に全員いなくなっちゃったんですけど、大家さんに見つからないかヒヤヒヤしました。谷中の人たちはボランティアの人たちが頑張って猫との距離感を保ちつつお世話をしていて、今とてもいい時期なんだな、と。街の人たちも猫の話をふると、なんだか嬉しそうですもんね」
私たちに最も近い野生生物ともいえる、野良猫。自由を好む彼らと、適度な距離感で暮らす谷中の人たち……。猫を語る彼らの声は、とても柔らかく、優しさに溢れているように聞こえました。
＜番組概要＞
番組名：「シンクロのシティ」
放送日時 ：毎週月〜木曜15：00〜16：50
パーソナリティ：堀内貴之、MIO
番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/city/
