ニースで得点感覚を取り戻したマリオ・バロテッリ。過去2シーズン、リヴァプールとミランで苦しんでいた“悪童”が復活できたのはなぜなのだろうか。

インテルでデビューし、マンチェスター・シティではプレミアリーグ優勝も経験したバロテッリだが、ここ2年はキャリア最悪の時期にあった。リヴァプールでプレミアリーグ1得点、ミランでもセリエAで1得点と、2シーズンでリーグ戦2ゴールしか挙げられなかったのだ。

以前からの奔放な振る舞いも仇となり、今年夏は引き取り手が見つからないとも騒がれたバロテッリ。だが、マーケット終了が迫っていた土壇場にニース移籍が決まると、背番号9を纏うようになったバロテッリはリーグアンの舞台で復活を遂げた。リーグ戦で6試合出場6得点、ヨーロッパリーグで3試合出場1得点。合わせて9戦7発とゴールを量産している。

なぜ、バロテッリは復活できたのか。ニース幹部のジュリアン・フルニエがイタリア『メッサジェーロ』で“悪童”について語った。イタリア『premiumsporthd.it』が伝えている。


「マリオはここで幸せなんだ。ニースの選手全員が彼のことを好きでいるし、称賛している。バロテッリ自身もチームの活動にすごく参加しているよ。我々にとってはサプライズじゃないんだ。サッカーを見ている者なら、彼の才能に賛辞を寄せずにはいられない」

「これまで彼が所属してきたクラブはどこも、彼にルールを押しつけようとした。だが、我々は違うんだ。ピッチのルールはある。ドレッシングルームの中では全員同じだ。バロテッリはチームメートの多くと同じように、紳士的でシンプルな選手だよ。ニースは家族的な環境なんだ。指示は全員に対するものであり、例外はない」

「獲得交渉？　我々はプロジェクトをバロテッリに示した。クラブやスタジアム、サポーターのことを話したんだ。ニースのサポーターはアツくて情熱的なんだよ。我々は練習を公開しているんだ」

フルニエによれば、バロテッリに必要なのはチームメートたちと同じように扱うことだったようだ。そして周囲からのサポートがあれば、バロテッリがゴールを決めるのは当然のことという。

イタリア代表のジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督は「2カ月で人の歴史は変わらない」と、バロテッリの代表復帰に慎重だ。バロテッリはこのままフランスの地で上昇気流に乗り、アッズーリ（イタリア代表）のユニフォームも取り戻せるだろうか。