寝だめが裏目に!? 「尋常じゃない眠気が襲う」意外な原因3つ
秋の夜長、読書の秋。つい夜更かしをしてしまって翌日、仕事中に眠くて仕方ない。ちゃんと寝ているつもりなのに、日中眠くて仕方ないことが増えてきた。疲れているのかな?そう感じることはありませんか?
夜更かしの翌日の眠気は睡眠不足によるものなのでまだ大丈夫。しかし、いつも通りの時間に寝たのに翌日強い眠気を感じるのはもしかしたら生活習慣に問題があるかもしれません。何となく……の習慣が続くことでひどい場合は過眠症などの睡眠障害を起こすこともあります。
そこで今回は、予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、「特別なことではないはず」と多くの人が思っているけど実は眠気の原因になっているNG習慣をご紹介します。
■1:夜のスマホ
忙しい1日のスケジュールを終えてホッとしたところでスマホやタブレット、PCでSNSなどのネットサーフィン……。今の時代、特別ではない行動だとは思います。しかし、これらのディスプレイから出ているブルーライトは交感神経を刺激して、脳を覚醒させてしまうため眠気が飛んでしまうことも。
また、目の疲れから眠くなったような気がして入眠しても脳の興奮が落ち着きません。そのため、深い眠りに入ることができず睡眠の質は悪くなり脳や身体の疲れが残ってしまい、翌日の日中の眠気に繋がってしまいます。
この状態が長く続くと自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症による不眠や過眠、便秘や頭痛と全身にまで悪影響が及んでしまいます。
それだけではなく、ブルーライトによる日焼けやシミの増加なども指摘されています。ブルーライトをカットする眼鏡はあっても顔全体を覆うことはできないので、お肌のためにも長時間ディスプレイを眺めるのは避けた方がいいでしょう。
■2:痩せるため!寝る前の運動
夕食後「運動しないで寝ると太るから」、「ボディメイクのために」と運動する人もいるかもしれません。この運動が15〜20分で軽いウォーキング程度のものであればまだよいのですが、ジョギングや筋トレなどを夜にしてしまうと、脳からアドレナリンなどの興奮物質が分泌されてしまうため睡眠の質が悪くなったり、寝つきが悪くなったりすることがあります。
通常、自律神経は朝、交感神経が優位になりはじめ、夕方以降は副交感神経が優位になり睡眠の準備をはじめるのですが、夜の運動でアドレナリンなどの興奮物質が分泌されるとせっかく落ち着いていた交感神経が刺激されてしまいます。
ダイエットやきれいなボディラインを目指すなら、夜の運動よりも早く寝て朝に運動した方がいいでしょう。ぐっすり眠って日中の眠気を感じることがなくなるうえに、1日の基礎代謝も上がるため、痩せやすくなりますよ。
■3:週末朝寝坊
平日と週末の起床時間はどれくらい違いますか? もし1時間以上違うのであれば要注意です。
なぜなら人にはサーカディアン・リズム(概日リズム)というものがあります。一般的に体内時計とも呼ばれていますが、サーカディアンリズムは24時間決まったリズムで寝起きしたり食事を摂ったりすることで、正常なホルモンの分泌や体温変化を調節してくれるのです。
週末だからと平日よりも2時間も3時間も遅くまで寝ていると、自ら“時差ボケ”を作り出しているようなもの。そうなるとせっかく平日の5日間リズムよく動いていた体のリズムが狂ってしまい、女性ホルモンのバランスが崩れてしまったり、新陳代謝を司りアンチエイジングの要となる成長ホルモンの分泌も減少してしまいます。
これから飲み会の増える時期にはなってきますが、就寝時間が遅くなっても朝寝坊は1時間以内とし、どうしても眠いなら20分以内のお昼寝でカバーしたり、日曜の夜は早めに休んだりすることで睡眠不足を解消するようにしましょう。
いかがでしたか? 何となくのネットサーフィンや美と健康のための運動、睡眠不足解消のための朝寝坊がまさか逆効果だと普段は考えもしなかったかもしれません。今一度、気を付けてみてはいかがでしょうか。
【参考】
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
【画像】
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