今季一番のサプライズ!? 川崎にも完勝した“ネルシーニョ神戸”の強さの秘密とは?
[J1第2ステージ14節]神戸3-0川崎/10月1日/ノエスタ
【神戸 3-0 川崎 PHOTO】神戸3発!川崎に完勝!
ここ6戦を5勝1分けと破竹の勢いで駆け抜けてきた神戸が、なんと年間勝点で1位を走っていた川崎をも下した。得意の堅守速攻スタイルがハマり、3-0という望外な結果。これで第2ステージの順位は2位となり、いよいよ初タイトル獲得への可能性が出てきた。
昨季は残留争いに巻き込まれ、今季の第1ステージも12位と苦戦を強いられたチームにどんな変化が起きたのか。アカデミー出身で、これまで多くの悔しさをチームとともに味わってきた岩波はこう語る。
「優勝争いを最後までできるのは本当に幸せなこと。自分たちが望んでいた形が現実になっているし、今日も川崎が勝つだろうと予想していた人たちはたくさんいたと思いますが、僕たちはそれを覆すことに楽しみを覚えている。勝つことによって自信も得られるので、(川崎のような強力な)攻撃陣を抑えることができました。
監督が言っていたのは川崎は年間優勝を争っているクラブですが、2ndステージの成績だけを見れば、勝点、得失点もそこまで自分たちと変わらない。相手をリスペクトしすぎないように戦おうと」
これまで多くの選手の入れ替えを行なってきたチームはタレントこそ揃うも、チームとして“勝った記憶”がないために常に勝負どころで競り負け、悔しさを募らせてきた。昨季指揮官に就任したネルシーニョ監督も「相手をリスペクトしすぎている」とチームの弱気なメンタリティを指摘してきた。
しかし勝利という最高の肥やしを少しずつ得ながら、歩を進めてきたチームは大きな進化を遂げようとしている。
チームの土台さえ整ってくると、個々の能力もさらに光る。
川崎戦で2ゴールを奪い、得点ランキングでトップに立ったレアンドロはチームのカウンタースタイルに順応し、ロングボールを的確にキープし、フィニッシュの部分で大きな違いを見せている。
守護神のキム・スンギュは周囲との連係が深まり、ビッグセーブを連発し、夏に加入したニウトンは早くも欠かせない戦力となっている。
さらに外国人選手ばかりが注目されるが、ネルシーニョ監督のもとで新境地を開いた選手も多い。川崎戦ではP・ジュニオールの不在を受けて本職のFWでプレーした渡邉だが、普段は4-4-2の中盤2列目を務め、フィジカルを生かしたディフェンスと持ち前のスプリント力で好守をつなぐ潤滑油として貢献している。
また川崎戦では、中盤の2列目で本来はボランチの三原と松下が先発。ともに相手のサイド攻撃を封じながら、カウンターの先導役になるなど出色のパフォーマンスを見せた。
チームとして手に入れた自信の上に、個々の能力と指揮官の眼識が重なる。
キャプテンマークを巻く渡邉は「(変わったのは)簡単に失点をしなくなったことと、全員が守備の意識を持ち、今日はペドロ(・ジュニオール)がいなかったですけど、外国人選手に頼ることなく皆で攻撃に絡めるようになったこと。失点はまだ多いですけど昨年よりは減り、チャンスで取れているところも好調の要因だと思います」と語る。
非常に興味深いチームとなっている神戸は、第2ステージ残り3試合で、勝点5差の首位浦和を追う。ひっくり返すのは難しいかもしれないが、今後は天皇杯だって待っている。もし、来季もネルシーニョ監督が指揮を執れば――。新時代を迎えた神戸には大きな期待が持てる。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【神戸 3-0 川崎 PHOTO】神戸3発!川崎に完勝!
ここ6戦を5勝1分けと破竹の勢いで駆け抜けてきた神戸が、なんと年間勝点で1位を走っていた川崎をも下した。得意の堅守速攻スタイルがハマり、3-0という望外な結果。これで第2ステージの順位は2位となり、いよいよ初タイトル獲得への可能性が出てきた。
昨季は残留争いに巻き込まれ、今季の第1ステージも12位と苦戦を強いられたチームにどんな変化が起きたのか。アカデミー出身で、これまで多くの悔しさをチームとともに味わってきた岩波はこう語る。
「優勝争いを最後までできるのは本当に幸せなこと。自分たちが望んでいた形が現実になっているし、今日も川崎が勝つだろうと予想していた人たちはたくさんいたと思いますが、僕たちはそれを覆すことに楽しみを覚えている。勝つことによって自信も得られるので、(川崎のような強力な)攻撃陣を抑えることができました。
監督が言っていたのは川崎は年間優勝を争っているクラブですが、2ndステージの成績だけを見れば、勝点、得失点もそこまで自分たちと変わらない。相手をリスペクトしすぎないように戦おうと」
これまで多くの選手の入れ替えを行なってきたチームはタレントこそ揃うも、チームとして“勝った記憶”がないために常に勝負どころで競り負け、悔しさを募らせてきた。昨季指揮官に就任したネルシーニョ監督も「相手をリスペクトしすぎている」とチームの弱気なメンタリティを指摘してきた。
しかし勝利という最高の肥やしを少しずつ得ながら、歩を進めてきたチームは大きな進化を遂げようとしている。
チームの土台さえ整ってくると、個々の能力もさらに光る。
川崎戦で2ゴールを奪い、得点ランキングでトップに立ったレアンドロはチームのカウンタースタイルに順応し、ロングボールを的確にキープし、フィニッシュの部分で大きな違いを見せている。
守護神のキム・スンギュは周囲との連係が深まり、ビッグセーブを連発し、夏に加入したニウトンは早くも欠かせない戦力となっている。
さらに外国人選手ばかりが注目されるが、ネルシーニョ監督のもとで新境地を開いた選手も多い。川崎戦ではP・ジュニオールの不在を受けて本職のFWでプレーした渡邉だが、普段は4-4-2の中盤2列目を務め、フィジカルを生かしたディフェンスと持ち前のスプリント力で好守をつなぐ潤滑油として貢献している。
また川崎戦では、中盤の2列目で本来はボランチの三原と松下が先発。ともに相手のサイド攻撃を封じながら、カウンターの先導役になるなど出色のパフォーマンスを見せた。
チームとして手に入れた自信の上に、個々の能力と指揮官の眼識が重なる。
キャプテンマークを巻く渡邉は「(変わったのは)簡単に失点をしなくなったことと、全員が守備の意識を持ち、今日はペドロ(・ジュニオール)がいなかったですけど、外国人選手に頼ることなく皆で攻撃に絡めるようになったこと。失点はまだ多いですけど昨年よりは減り、チャンスで取れているところも好調の要因だと思います」と語る。
非常に興味深いチームとなっている神戸は、第2ステージ残り3試合で、勝点5差の首位浦和を追う。ひっくり返すのは難しいかもしれないが、今後は天皇杯だって待っている。もし、来季もネルシーニョ監督が指揮を執れば――。新時代を迎えた神戸には大きな期待が持てる。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)