AI自動運転レースRoborace開発マシン「DevBot」映像公開。初の本格的テスト走行もドニントンで開始

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フォーミュラE選手権のシーズン3 (2016-2017シーズン)はこの秋より開幕予定ですが、このシーズン3の途中からは完全自動運転マシンによる「Roborace」がサポートレースとして開催されることになっています。

そのRoborace用マシンの開発車輌「DevBot」がYouTubeで公開されました。Roborace開発車輌といっても、これはエンジンをバッテリーとモーターに換装し、カウルを取っ払ったLMP(ル・マン・プロトタイプ)マシンと思われます。

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RoboraceはAIがドライバー代わりとなってマシンを操縦する新時代の自動車レース。参戦チームはワンメイク供給される専用マシンのAIをチューニングしてレースでトップを目指すことになります。
 
マシンデザインを務めるのは映画「トロン:レガシー」「オブリビオン」のヴィークルデザイナー、ダニエル・サイモン。ただ、肝心のマシンは現在のところレンダリングイメージが公開されているのみで、Roboraceの実車はまだ一度もその姿を表していません。

そして、その代わりの開発車輌として使われているのがおそらくLMPマシンを改造したDevBot。車格とモノコック、フロア形状から推測するとGinetta Juno LMP3もしくはGinetta G57のようです。もとが耐久レース用のプロトタイプカーなので、カウルこそ取り外しているものの当然ドライバーズシートもあればステアリングもついています。

とはいえドライブトレインはRoborace用のバッテリーとモーターに載せ替えられているほか、フロントノーズ左右やフロントタイヤ後方にそれぞれLIDARセンサーをマウントするなど、Roboraceマシンに搭載する各種センサー類もしっかり装備しています。おそらく現段階では、Nvidiaの自動運転AI、Drive PX 2の基礎的なチューニングと各種センサーとの連携といったテストが使われていると考えられます。
  
なお、今回のDevBot紹介動画は英国のシルバーストンサーキットでのテスト走行をチラ見せする格好ですが、Roboraceは8月24日にドニントン・パークで実施しているFormula EオープンテストにもDevBotを持ち込んで走行テストを実施しています。   
 
一方、肝心の本番用Roboraceマシンのほうは、年末には参加各チームへの納入が開始される見込みとのこと。参加チームに関する情報はまだほとんどなく、さらに本番用マシンもない状態ではRoboraceがどのようなレースになるのかイメージしにくいものの、実車サイズのラジコンレース、でかいミニ四駆などと揶揄されることのないエキサイティングなイベントになってほしいものです。