「ポケモンGO」ドイツでやってみた。あの黄色いポケモンが悪夢と化す

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ただいま、ライプチヒという街に着きました。14時間のフライトと時差ボケでフラフラ。まずは飯だ!  
こんにちは。ポケモントレーナー「メシダa.k.a イングレス仙人」 こと飯田です。『ポケモンGO』、日本ではものすごい盛りあがってるけどドイツではどうなん? 現地からレポートします。ライプチヒはドイツの東に位置する人口 約50万人の都市。バッハやゲーテといった芸術の巨人たちのゆかりの地として有名です。


こちらはゲーテが『ファウスト』執筆時に通っていたというレストラン。「シン・ゴジラ」のしっぽを彷彿とさせるおっかねーオブジェに吸い込まれそうになったけれど、出 てきた料理のおいしさになんとか正気を保てた。それでは『ポケモン GO』を起動してみましょう。


お、スリープ! ぼくが普段活動しているエリアではあまり出現しないモンスターなのでキタコレゲット! と同時にスリープ独特の妖しい動きに朦朧としている意識に ますますモヤがかかっていくようです。なお後ろに写っているのはゲーテの直筆原稿。これはすげー貴重なモノ。帰国したら『ファウスト』を読んでみようと思った。


ホテルへ向かう道すがら、あ、またスリープ! 比較的レアなポケモンが連続で出現するとは幸先良い。


またまたスリープ! 比較的レアなポケモンンが3回連続で出現とは期待できる。


げ、またもスリープ!  この地では比較的レアではないみたい。この場所はマルクト広場のほど近く。マルクト、何か聞き覚えがある。 秘密結社的な......。だが眠い。眠すぎる。スリープの妖気に完全にヤられてる。一刻も早くホテルのベッドにインした方がよいだろう。


えっえっ? 日本車かつ痛車のボンネットになぜ、そなたは立っているのか。逆か。ここはドイツだけど、なぜ痛車が? 軽く混乱しているとひとりの青年が気さくな声をかけてくれました。


「このクルマ、かなり痛いっしょ! オト聞く?」青年はキーを入れ、エンジンを吹かします。静謐なバッハの街に鳴り響く爆音。 「イケテルっしょ! ポケモンならこっちおいでよ!」(会話はドイツ語。ぼくは英語もドイツ語もダメですが、心で会話出来ました)


スパイダーマン Tシャツの青年に導かれ美しい公園へ。気温は22°C。猛暑の日本では考えられない爽やかさ。でも、あんまり人、いないなー。


いた! 40名くらいのトレーナーたちが日光浴を兼ねてまったり過ごしております! 画面左上がポケストップになっている彫像。


スマホ画面ではこんな感じ。ドイツのトレーナーたちはくつろぎながらポケモンの出現を待つ、言うならば「釣り人」スタイルです。


やってる、やってる。 40名ってことなかった。倍はいるかも。


やってる、やってる。


やってる、やってる。 おっと出た。こいつはスリープの進化系スリーパー。コインを揺らし眠りを誘っている。トレーナーたちから小さな歓声があがり、波紋のように全体に広がっていく。ピースフルな光景。 ドイツでもこのように多くのトレーナーがいることが判明した。ちなみにこれは平日です。 調査はここで終えホテルへ向かうことに。そうしないと芝生の上で寝てしまいそう。パスポートなどを持ったままだから、いくらなんでもそれはマズいでしょ。


宿泊手続き中、振り返るとスリープが笑ってる ......。ここまでですでに30体以上のスリープをゲットしてるので、うげげって感じ。


ようやく横になれた。もう寝る。ベットの上に眠りの世界への誘惑者が現れた。いいオチだけど、黄色いポケモンはノーサンキューです。


マジで入眠5秒前、またもスリープ出現。無視してアプリを閉じようとしたが若干の違和感があった。黄色いけど、これピカチュウだ!! トレーナーになり27日目、2回目の遭遇。しかも異国の地にて。『ポケモンGO』は実に素敵なドラマをメイクしてくれるじゃないか。 慎重にズリの実を使いハイパーボールでゲットした。じわーっと込み上げてくる嬉しさ。
それでは、おやすみなさい。


翌朝、最初に立ち寄ったポケストップ。見上げると壁には「REAL LIFE」の文字がある。うん、世界にはポケモンがいる。ライプチヒでもトレーナーたちが楽しんでいた。 ぼくたちはこの新しい現実を、遊びながら生きている。
(飯田和敏)