亀仙人と同じ道を歩むトガタの誤算?「ファイアパンチ」16話

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Web無料漫画配信サービスジャンプ+にて「ファイアパンチ」第16話が配信されている。作風は全然違うが、トガタは亀仙人と同じやり方をしている。


ファイアパンチ流修行パート


予想の斜め上を行く展開でおなじみのファイアパンチ。そんなファイアパンチでジャンプの超王道である修行パートが始まるとは思いもしなかった。ベタな展開をやりそうにないというのももちろんだが、アグニに修行が必要だとは思わなかった。

宇宙服から作った耐火服を身に纏ったトガタがアグニを殴る。そんなシーンから始まった第16話。再生能力者の戦い方を教えて修行をつけているところだ。火を封じられたアグニはそれにしても弱い。

昼間は戦いを教えて、夜は下ネタを中心に英語の勉強を教えるトガタ。この図式どこかで見た事あると思い出したのはドラゴンボールの亀仙人。梧空とクリリンに修行をつけていた亀仙人は、合間に勉強を教えていたのだ。ちなみにトガタも亀仙人も初登場時はだいたい300歳。

「明後日ドマを殺しに行く」と修行に手応えを感じたトガタは、最後にアグニの復讐者としての意気込みをカメラに収めようとする。しかし、逆になぜ自分で映画を撮るのかと、アグニに尋ねられてしまう。

「炎は薪がないと消える。人も炎と同じで糧がないと生きて行くことが出来ない」

トガタは自分にとって薪は映画だったという。しかし、残っている映画は全て見終わってしまい、さらにそれをベヘムドルグ兵に燃やされてしまった。そんな中、燃えるアグニを見て久しぶりに興奮した。その全てに惚れたという。だから惚れた奴を主人公に映画を撮りたいというのだ。

トガタが言った「炎は薪がないと消える。人も炎と同じで糧がないと生きて行くことが出来ない」は、2話でアグニのお父さんが言っていたセリフと同じだ。お父さんにとって薪は、アグニと妹のルナの事だった。

そしてトガタにとっての薪もアグニ。アグニにとっての薪であるルナは残念ながら死んでしまった。だが、アグニ本人は皮肉にも燃え続ける炎人間。ブッ飛んだ展開の多いこのマンガだが、この辺は本当に良く出来てる。

ユダのベッドの周りに観葉植物がたくさん置いてあるのは、酸素が再生能力に必要不可欠だから?


ベッドに寝ているユダ。イワンの兄ジャックがお見舞いに来る。殺されかけたユダを心配する素振りを見せるが、イワンが死んだ事についての責任問題を問うなど、ユダに対する敵意は満々だ。

時系列的にはアグニが修行を終えた次の日だろうか?2人の元に武装したトガタが現れる。

「はい!イワンとサイモンを殺したヤツです!提案あります!みんなでファイアマンを殺そう!」

爽やかな笑顔のトガタで今話は終了。

初めての誤算、トガタはジャッキーチュンになれない


おそらくこれは単なる裏切りではない。アグニの敵になって前に立ちはだかる演出をしようとしているのだ。これも天下一武道会で、亀仙人がジャッキーチュンに扮した時と同じ手法だ。

しかし、ここで問題が発生する。ジャックはイワンの兄。つまり、弟の仇であるトガタに協力するわけがないのだ。今まで全てを思い通りにコントロールしてきたトガタに、ここで初めて誤算が生じてしまう。

おそらく次話からはトガタの演出が行き届かないストーリーになっていく。果たして、せっかくのアグニの敵であるジャックをトガタは倒してしまうのか?人を回復させる能力を持つジャックの戦い方は?続きは8月15日配信予定だ。
(沢野奈津夫)