テスラ、Autopilot主要技術メーカーとの関係を解消。今後は自社内開発へシフトチェンジの見込み

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テスラが、Model Sなどに前方監視用単眼センサーを供給するMobileyeとの関係を解消すると発表しました。テスラは今後同センサー及びソフトウェアを社内開発していく見込みです。

Mobileyeは5月に発生したModel SのAutopilot中の死亡事故が話題に出た当時、「現在のModel Sのセンサーは全方向を監視しない」とコメントしていました。一方、テスラはMobileyeのコメントにすぐさま反応し「2016年1月以降のModel Sに搭載しているセンサーは自社技術を取り入れたカスタム仕様になっている」と反論していました。事故に関するコメントでは足並みが揃わなかったものの、MobileyeのCTO、Ammon Sashuaは、同社の四半期収支報告において、Mobileyeがテスラに対し、今後も事故回避のための自動ステアリング機能などを追加搭載した新しいセンサーをテスラへ供給していくと発表していました。ところがEV用バッテリー工場「Gigafactory」のイベントに顔を見せたイーロン・マスクCEOの考えは違ったようで、「予想外だったが、関係解消はもはや回避不可能のようだ」とコメントしています。

テスラは関係解消をどちらが申し出たかについては明確にしませんでした。しかし、著名ハッカーであり現在Comma.aiで独自に自動運転車を開発するGeorge Hotzは、解消に動いたのはテスラの方だろうと推測しています。Hotzはイーロン・マスクCEOが現在よりも優れたセンサー技術、ソフトウェアの開発に取り組んでいると発言しており、そのためにAMDから凄腕エンジニアのジム・ケラーを呼び寄せたことで、Mobileyeに依存していた部分の内製環境が整ったと指摘しました。

また、HotzはMobileyeがテスラに供給しているような性能のセンサー開発は難しいことではなく、テスラ社内での開発は十分に可能だとして「僕は2か月で作ったよ」と若干の自慢話込みで説明しています。

なお、MobileyeはModel Sの事故が世間に知れ渡ったのと前後するタイミングでBMWおよびインテルとの提携を発表しています。このプロジェクトは3社の協力によって自動運転技術の開発を加速していくとしており、Mobileyeはセンサー技術を活かしたマシンビジョニングとディープラーニングによる認識精度向上を担当する見込みです。

Mobileeyeからすれば単独EVベンチャーへのOEMパーツ供給に固執するより、自動車およびIT業界の巨人たちとの共同プロジェクトに集中するほうが得策とも考えられます。

ちなみにBMWは2021年に自動運転車を投入すると公表しています。