中国ではかつての日本のようにバブルが崩壊するのではないかと懸念が高まっている。中国メディアの和訊網はこのほど、「中国の不動産市場がバブル崩壊したら、日本より悲惨なことになる」と題する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国ではかつての日本のようにバブルが崩壊するのではないかと懸念が高まっている。中国メディアの和訊網はこのほど、「中国の不動産市場がバブル崩壊したら、日本より悲惨なことになる」と題する記事を掲載した。

 中国の主要都市における不動産価格の暴騰にともない、中国不動産が日本と同じ轍を踏むかという議論が増えている。記事は、バブル当時の日本を例に挙げ、「日本全体の不動産価値が米国の5倍」になるほど高騰したが、当時は日本人の多くが「日本は土地が少なく人口密度が高いので、日本の不動産は永遠に上昇し続ける」と真剣に考えていたと紹介した。

 その上で、中国の不動産もバブルだと言われてはいるものの、少なからぬ中国人は中国と日本の不動産を比較したがらず、中国が日本と同じ轍を踏むことも認めたがらないと指摘。その理由についで「中国の都市化はまだ終わっていないこと」と「中国の不動産価格は当時の日本ほど高くないこと」を挙げ、中国バブルはまだまだ終わらないと考えている人も少なくないと論じた。

 しかし記事は、現在の中国の状況はバブル崩壊前の日本とよく似ていると指摘。特に、巨額の貿易黒字によって人民元高となっていること、高齢化が進んでいること、量的緩和政策と投資先のない流動性、住宅の大量供給が類似しているという。いつどのようにバブルが崩壊するかを予見するのは難しいものの、バブル崩壊の前には必ず、価格の上昇に懐疑的だった人も疑うことをやめ、新物件があっという間に売れ、価格が急速に上昇するという状況が見られると指摘。「中国の市場でこのような状況が見られるなら、注意した方が良い」と呼びかけ、「多くの人が不動産価格はさらに上昇すると考えている時が一番危険だ」と警鐘を鳴らした。

 最後に記事は、中国経済の競争力と国民の所得水準の現状を考えると、バブルがひとたび崩壊したら、まず間違いなく「当時の日本よりもずっと悲惨なことになる」と予測。この災難にうまく対処できるかどうかは決して楽観視できないと危機感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)