与那国で28日に任務を開始した、レーダーなど電子機器も駆使する陸上自衛隊の沿岸監視隊に対して中国国防部が「挑発だ」などと反発している。中国国内でも報道されはじめたが、なぜか国外メディアによる情報を改めて紹介する報道だ。(写真は新浪網の29日付報道の画面キャプチャー)

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 与那国で28日に任務を開始した、レーダーなど電子機器も駆使する陸上自衛隊の沿岸監視隊に対して中国国防部が「挑発だ」などと反発している。中国国内でも報道されはじめたが、なぜか国外メディアによる情報を改めて紹介する報道だ。

 中国メディアの環球網は29日、「日本はレーダーサイトを用いて東市中井を監視。中国国防部は日本の挑発に反発」と題する記事を掲載した。だが、同記事は日本側の動きと、台湾メディアによる比較的客観的な状況紹介を長く紹介し、さらに、その他の外国メディアが日本のレーダーサイト稼働を、中国側を激怒させ対立をエスカレートさせると批判的に論じたと主張。

 自国の国防部の意思表明は、記事本文の最後の部分で短く紹介しているだけで、しかも英国のBBCによる報道の引用だ。

 BBCは、中国国防部が「日本による中国の領土にたいするいかなる挑発行為に対しても反対を貫く」、「釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)は中国固有の領土と改めて言う。中国の船舶や航空機が関連する水域、空域で活動することは、完全に正当であり合法的だ」、「国際社会は日本の軍事拡張に強く警戒すべきだ」と表明したという。

 中国国防部は書面で、同表明を外国メディアには伝えたという。中国軍及び中国政府・国防部は秘密主義の傾向が強いが、外国メディアによる報道を優先したと思われる。理由は今のところ不明だ。

 中国メディアも、外国メディアの報道を踏襲する形であれば、報道が認められている模様で、新浪網なども同記事を紹介した。

 中国メディアの中でも、英字メディアであるチャイナ・デーリーは、同情報を引用でない形で報じた。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の29日付報道の画面キャプチャー)