本日(3月2日)より、日本科学未来館(東京お台場)にて「GAME ON 〜ゲームってなんでおもしろい?〜」がスタートしています。
この企画展のプレス内覧会が昨日に開催されたので行ってきたのですが、はっきり言って異常な面白さでした! 今回は、そのリポートです。

まずは今回の企画展が開催される意義などについて、企画・監修の内田まほろ氏(日本科学未来館)と遠藤諭氏(角川アスキー総合研究所)のお二人が説明してくれます。


内田 展示されている全135タイトル中133タイトルがプレイできますが、実はプレイすることが目的ではありません。展覧会にある9つのステージを時間軸やテーマごとに巡っていただき、それぞれ理解を深めてもらいます。
遠藤 135本のゲームを並べたのですが、何の贔屓目もなく日本製が半分以上(71本)を占めました。新しいことをやるという意味で、やはり日本は凄いと思います。会場にはゲーム&ウォッチ全コレクションとかが並んでいて、ジーンと来ます。展示会の最大の課題として、帰らない人がいるんじゃないかと懸念しているんですが(笑)。

では1〜8からなるステージを巡りながら、135本もあるというゲームを楽しんでいきましょうか!




おっと。入り口を進むと、こんな壁面になっていました。



STAGE1.プレイの誕生





くぁ〜っ、壮観! このステージでは「テレビゲームの誕生はコンピュータの誕生と発展とともにある」というテーマのもと、創世記のテレビゲームが展示されています。
例えば、この『PONG(ポン)』。1972年に誕生したゲームで、一般に広く知れ渡った最初のテレビゲームだと言われているそうです。


内容はシンプルなピンポンゲームなのですが、カリフォルニアにあるバーに設置されるや2日後にはコインを貯める箱がいっぱいになり、お金があふれ出して故障を起こすほど人気を博したとのこと。

こちらは、言わずと知れた『パックマン』です。



私もプレイしてみましたが、シンプルだからこその面白さがある。そういえば、このゲームで遊ぶのはかれこれ30年ぶりくらいかもしれないなぁ……。

他にもこのステージには、『ルナーランダー』(1979年)や『ドンキーコング』(1981年)などが展示されていました。

STAGE2.ゲームセンターでプレイ


どうですか、皆さん。この光景だけで、血が騒ぐ!






もちろん、私もプレイします。定番であり歴史でもある『スペースインベーダー』に手を伸ばしました。このゲーム遊ぶの、実は初めてかもしれない!


レーシングゲームや戦闘機のゲームでも、当然遊びます。コイン投入、もちろん不要!




STAGE3.「◯◯ゲー」の発生と進化


家庭用ゲーム機やパソコンによって、家で時間をかけてプレイするロールプレイング、アドベンチャー、シミュレーション、パズルゲームが多く誕生。ゲームのジャンルは今でも増え続けています。
というわけでこのステージでは、各ゲームジャンルにおける特徴的な作品が選定されました。

う〜ん、どんなゲームがあるんだろう? ……散策していると、遂に見つけてしまいましたよ。あの、『イー・アル・カンフー』を!


ゲームジャンルの中でも数が最も多い「アクションゲーム」ですが、アクションの中でも金字塔と言える一作であるのは間違いない。すっかり、やり込んでしまいましたよ……。

また『ハングマン』『チェス』『スクラブル』などから連なる「思考型ゲーム」の一つとして、『SUPER桃太郎電鉄』も展示されていました。



STAGE4.おうちでプレイ


テレビゲームはゲームセンターにとどまらず、普通の家庭内に入り込むことによって飛躍的にその社会的な地位を確立します。このステージでは、家庭におけるテレビゲームの進化を見ていきます。





ちなみに、「THE BROWN BOX(ブラウンボックス)」ってご存知ですか?


1951年、ラルフ・ベアというテレビ技師が上司から世界で最高のテレビを作るよう言われ、彼は「テレビでゲームをプレイする」という斬新なアイデアを示します。しかし、この案は上司の理解を得られず、お蔵入りに……。
そして15年後、バス停でバスを待っていた時にゲームのアイデアがよみがえったベアは、数年をかけ試作品「ブラウンボックス」を制作します。結果、1971年にマグナボックスという企業がその使用権を獲得し、中身はほとんどブラウンボックスのまま、「オデッセイ」という名前で販売しています。


1972年5月に売りだされた「オデッセイ」は、世界で初めての家庭用ゲーム機です。

STAGE5.どこでもだれでもプレイ


ゲーム&ウォッチやゲームボーイなど、ポケットサイズのポータブルゲーム機の誕生により、子どもたちとゲームの距離は劇的に縮まりました。このステージでは、それらのポータブルゲームを紹介しています。



こちらは、『スーパーギャラクシアン』(1981年)。今となっては、シンプル過ぎて味がある!



こちらは、世界的ヒットとなった任天堂「ゲーム&ウォッチ」全60種です。かぁ〜っ、アツいよ!



STAGE6.アートでプレイ


テレビゲームは、世界中に愛されるゲームキャラクターや、独自の音楽、文化、映画など、別の形態のアート、エンターテインメント作品を生み出すことになりました。
このステージでは、コンセプトスケッチやデザイン資料、マーケティング資料、音楽資料などもあわせて展示し、ゲーム開発のプロセスを見ていきます。

こちらは、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のキャラクタースケッチです。


初期のスケッチなのに、今もほとんどデザインが変わりません。

左が『ドラゴンズレア』のセル原画、右は『トゥームレイダー 美しき逃亡者』のものです。



ポケモンは、パッケージの変遷でシリーズの発展が確認できます。



STAGE7.作ってプレイ


皆さん、「マインクラフト」ってご存知ですか? これはブロックを自由に配置し、空間を作るゲーム。
今回の企画展では、このゲームの特別仕様版に挑戦できるそう。「マインクラフト」で再現された日本科学未来館を探検し、宝探しするゲームに臨むことができるのです。(入れ替え制、最大4人で体験)



これ、私も体験しました! スタート地点である3階から、ぎこちない操作で動きと視点を調整しつつ階段を使い5階へ行き、館内をウロウロしてると何とか宝箱を発見! 無事、アイテムをゲットすることができました。


これ、もっと出歩くと未来館の中のみならずゆりかもめにまで足を伸ばせるそうですよ! 

STAGE8.みんなでプレイ


インターネットの普及で、多くの人が同時にプレイすることが可能となった現代。一方、新しい身体的インターフェースの誕生で、ゲーマーではなかった家族や友人たちとお茶の間で楽しむスタイルも生まれています。

例えば。楽器ばかりが並んだこれも、ゲームです。


この『ザ・ビートルズ:ロックバンド』は、リズムアクションゲームのビートルズ版。ビートルズの楽曲に合わせ、演奏を疑似体験できます。目的は、ビートルズのメンバーとなって演奏すること!

NEXT STAGE.未来をプレイ


テレビゲームの進化が、インターネットやVR(バーチャル・リアリティ)技術の発展により、「現実世界」と「ゲームの世界」の境界を超えつつあるのが現在です。
そこで、このステージではゲームとリアルが融合した未来を予感させる最新プロジェクトが体感できます。

その「最新プロジェクト」とは、何なのか? ……驚くなかれ、PlayStation VRを先行体験できちゃいますよ!




記者が体験したのは、『The Deep(仮)』なるゲーム。ゴーグル&ヘッドフォンを着けるや、眼前には深海の世界が広がります。ゴンドラに乗り海底へと沈んでいくと、眼前に広がる光景が美しすぎます。クラゲやエイが目の前を漂い、思わず手を伸ばしたくなってくる……。上を見ても下を見ても横を見ても後ろを見ても、360度で深海の世界です。
……と思っていたのもつかの間、サメがこちらへ襲いかかってきたよ! そして、ゴンドラを牙で壊しにかかってくる!! ヘッドフォンを通じ、恐怖で荒くなった私の呼吸が聴こえてきます。何度も恐ろしい勢いで、口を開いてこちら目掛け突っ込んでくるサメ! 思わず顔が歪むし、避けようと自然に体が動いちゃう。外から見たら、ただゴーグルを着けて座ってるだけの状況なんですが……。中には「キャーッ!」と悲鳴を上げまくる女性もいたほどで、その臨場感はホンモノでしょう。

……と、あまりに楽しすぎる企画展の全体をざっくりとご紹介してきました。ただ、元も子もない話をすると、ゲームって体験しないと始まりません。リポートだけでは、面白さの数分の一も紹介できていないと思う。
開催期間は、今日から5月30日まで。とんでもなく古いゲームからとんでもなく新しいゲームまで存分に網羅されているので、全世代が楽しめる企画展だと確信しています。
(寺西ジャジューカ)