大阪大学の取り組んでいる産学連携プロジェクトがツッコミどころだらけだとTwitterで話題だ。サイトトップページには「人間活性化によるスーパー日本人の育成拠点 -脳マネジメントで潜在能力を発揮できるハピネス社会の実現-」とある。「スーパー日本人」や「ハピネス社会」という聞き慣れない言葉に、ネットでは「ヤバい」「怪しい宗教のよう」「スーパー日本人、ドラゴンボールかよ」などとツッコミが溢れている。

文部科学省が10年後の目指すべき社会像を見据えて「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」を2013年から開始。この産学連携プロジェクトはその一環として、大阪大学を中心に進められている。つまり、「スーパー日本人」の育成は文部科学省公認ということらしい。

謎すぎるスーパー日本人の説明


それにしても「スーパー日本人」「ハピネス社会」とは、どういうものなのか。
同サイトには、概要を説明した図表も公開されている。これによると「脳マネジメント」でスーパー日本人を目指し、ハピネス社会に繋がるとのこと。これではよくわからない。


具体的な解説がイメージビデオにまとめられていた。「人間にはまだまだ想像もつかないような潜在能力が秘められています。その潜在能力を常に発揮できる」のがスーパー日本人であると冒頭で説明。ナレーションとともに、青いオーラをまとった男性が指先から球状のエネルギーらしきものを発射した。


続けて「大阪大学COIは、潜在能力を発揮するためにカギとなる脳のメカニズム解明を中心に研究開発を進めています。 ひとりひとりが最高に輝くハピネス社会の実現に向けて世界をリードするスーパー日本人の誕生はすぐそこまでやってきているのです!」と説明(ここでもう一度エネルギーを発射)。「ハピネス社会」とは、ひとりひとりが最高に輝く社会のことを指すようだ。

そして「脳マネジメント」とは「潜在能力の発揮のため、脳の状態を検知、可視化して、活性化する。そして、そのサイクルを繰り返す」こと。脳マネジメントによって10年後には、吐く息や涙液からストレスの度合いを判定、なりたい感情に合わせた音楽を自動で作曲・編曲する音楽プレーヤー、うつ傾向を予測し脳への電気刺激による治療、空調や光、音で環境を制御して快適な睡眠環境を提供できるそうだ。これって結局、外部デバイスの力で生活がより便利になるということでは?

いたって真面目な研究のようだが、2014年に発表された資料ではイラストが雑に挿入されていたり、大阪大学の英訳サイトでは「スーパー日本人」が “SUPER NIPPON-JIN”と訳されていたりと、Twitterでは多々ツッコまれている。





(上原しげお)