肌寒いこの時期、温泉へ行くと気持ちいいだろうなぁ。都会の喧騒を忘れ、静かなところへ行き、温泉のいい成分を体全体に染み込ませたい。
……ちょっと待て。厳密に言うと、温泉に浸かるのは全身じゃありません。だって、体が入るのは肩までだから。首から上は、せいぜいすくったお湯で顔をすすぐ程度。「頭まで浸かりたい!」と潜水を試みようにも、多くの温泉でこの行いは禁止されているそうです。

温泉地に突如現れたマスクマン


そこで生まれたのは、こちら。アール・ケイ・ケイ(静岡県沼津市)が昨年12月より発売している、その名も『FACE-Spa(フェイ・スパ)』(税抜600円)を見てください。


決して、スケキヨではありません。これは、言わば"温泉浴用フェイスマスク"。温泉に浸かり、湯にこのフェイスマスクを浸し、しぼって顔に装着(?)すると、温泉のいい成分が顔にもしっかり染み渡ります。


「当社ではホテル・旅館にアメニティー商品を卸しており、女将さんやお客さんからさまざまな声をお聞きします。そのなかで『せっかく温泉まで来ているのに、温泉で浸かるのは首から下まで。せっかくの良い成分なので、顔まで浸りたい』という声が非常に多かったんです」(アメニティー担当者・渡辺さん)

結果、一年以上の開発期間を要して、このフェイスマスクが完成しました。工夫した点は、いくつかあります。まず、「目鼻口の部分に穴が空いている」。マスクを着けたまま呼吸するには、欠かせない機能です。
2つ目は、「タオルとパイル地の二重構造」。普通のタオルだとずり落ちてしまうので、顔と接触する側はガーゼ素材を採用しました。


3つ目は、「首元までカバー」という要素。


「デコルテを気にされている女性が多く、『大きめのマスクを作ってほしい』という要望が多かったんです」(渡辺さん)

というわけで、このフェイスマスクの主なターゲット層は女性です。
「ただ、最近は男性でもお肌に気を付けていらっしゃる方が増えてますからね。そういう方にも、打って付けだと思います。使用後は、お肌がしっとりしますよ」(渡辺さん)

もちろん、使い方次第では浴場以外での活用もOK。例えば、お風呂後に化粧水をつける時、このマスクを着用すればじっくり染み渡っていくでしょう。
「あと、温泉地のミストサウナに入っている時に着用していただきたいですね。ミストは上から降ってきますが、普通はそのまま下に流れていきます。このフェイスマスクがあれば、温泉の湯が顔に当たったままになりますよ」(渡辺さん)

いきなり遭遇して、ビックリしないだろうか?


ただ、一つだけ気になることが。温泉に入ろうと浴場へ行き、いきなりこのマスクを着けてる人に遭遇したらビックリしてしまいそう……。
「実は、逆にその辺を狙っていまして(笑)。おもしろグッズの要素も兼ねてますので、今後は歌舞伎やプロレスマスクをデザインしたものも商品化していきたいと考えています。このマスクを着けた女の子同士が温泉でキャッキャッしてるのも、楽しそうですよね」(渡辺さん)
なるほど、"美容"と"おもしろ"を兼ねたマスクですか!

タオル&ガーゼ生地なので、洗濯すれば繰り返し使えるのも強み。湯治したくなったら、浴場限定のマスクマンになってみる!?
(寺西ジャジューカ)