料理に使う油、みなさんは主に何を使っていますか? うちでは体に良さそうというのと、オリーブ自体が好きという理由から、いつのまにか、どんな料理にもオリーブオイルを使うようになっていました。

ところで、オリーブオイルというとイタリアのイメージが強いですが、世界で認められている日本産といえば、やはり香川県・小豆島産のもの。この地で作られ、秋に収穫されたオリーブから搾ったオリーブオイルが今、出荷の最盛期を迎えているとか。そこで、香川県・小豆島出身のオリーブオイルソムリエの黒島慶子さんに、香川県産オリーブオイルの魅力について取材しました。

世界で認められる香川県産オリーブオイル



まず驚いたのは、国産オリーブの産業としての生産が始まったのが、明治41年だったということ。そんなに前から日本でも作られていたとは……当時、三重県、鹿児島県の3県で国産のオリーブオイルの生産を目的に試験栽培したところ、結実し、栽培に成功したのが香川県だけだったそう。そして近年のオリーブの栽培地を面積で比べると、香川県が全国の67%を占めているそうで、オリーブの実に関していえば、香川県が97%の生産を誇るとか!

香川県では品質をさらに高めていこうと、ロサンゼルスのエキストラバージンオリーブオイルの品評会に香川県産のオリーブオイル9点を出品。いずれも入賞し、そのうちの1点「グリーンレモンオリーブオイル」はフレーバーオイル部門で、500ほどの中の8点しか選ばれない最高賞を受賞したそうです。


世界でも高品質と認められている香川県産のオリーブオイル、気になります! そこで、香川県産と海外産のオリーブオイルを実際に味わって比べてみることに。

「オリーブオイルは料理に色をつけるので、ソムリエのやり方では、まず色をみます。次に香り。品質の善し悪しが出るので香りを確認し、その後、少量だけ口に含んで飲んでみます」と黒島さん。

香川県産と海外産で味に違いは?



早速、どちらが香川県産か海外産かわからない、AとBのオリーブオイルそれぞれを、順番に香りをかぎ、口に含んでみました。すると、香りにはかなりの違いがあり、香りがたっているのはAの方。味は、Aは苦味が強いような? Bの方が実の味が強いような気がしました。でも正直、素人には違いを語るのが難しい!

さて正解は……!? 
「Aが香川県産、「自社農園栽培オリーブ油」(ヤマヒサ)で、Bが海外産です。特徴として、香川県産は絞り立てのジュースのような感じがあるはずです。他の油と違って果実から搾っていて、しかも絞り立てなので、ジュースみたいにさらっとしているんです。香りも爽やかで、味としても辛み、苦味があります。この辛みや苦味はポリフェノールです」



いわれてみれば確かに、Aの香川県産の方がさらっとしていました。ちなみに、オリーブの品種は世界ではなんと1200以上あるとか! 香川県では、そのうちの約60品種・系統が導入され、中でもミッション、ルッカ、ネバディロ ブランコ、マンザニロという4品種が一般に栽培されているそうで、単一品種を搾ったもの、ブレンドしたものなど様々なオリーブオイルがあるというわけです。

黒島さんによると、今日味わった香川県産のオリーブオイルは風味を楽しむのがおすすめとのこと。逆に今回出てきた海外産のものは、油として調理に使うのが良いのだそう。

「このように高品質な香川県産のオリーブオイルは、うどんにかけると、すごく香りがよくなります。お味噌汁やお吸い物に入れてもいいですし、切り干し大根や、酢の物にかけても美味しいです。ご飯に入れて炊いたらツヤもでますね。品質の高いものばかりですので、いろいろ味比べをしたり、様々なメニューにかけてみたりして、こんな美味しさがあったんだ! と知ってほしいですね」

香川県内のサービスエリアにはソフトクリームにオリーブオイルをかけたものも販売されていて人気があるそう。この日、一緒にPRしてくれた香川県のつるキャラ、うどん脳くんの大好物でもあるとか。たしかに美味しそう! そこで、ソフトクリームならぬ、シューアイスで試してみました。



すると、オリーブの風味が加わって、リッチでユニークな味わいに。バニラと相性がいいみたいです。

今回紹介した香川県産のオリーブオイルは、通販や東京・新橋にある香川県のアンテナショップ「せとうち旬彩館」で手に入るものもあるそうです。
(田辺 香)