先日、記録的な寒波が襲来した日本列島。九州地方などでは多くの場所で水道管が破裂するといった被害が出た。雪による交通機関のマヒも含め、めったに起きない現象への対処の難しさを改めて思い知らされたが、それでも中国メディアの記者は「日本の社会は素晴らしい」との感想を抱いたようだ。(イメージ写真提供:123RF) 

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 先日、記録的な寒波が襲来した日本列島。九州地方などでは多くの場所で水道管が破裂するといった被害が出た。雪による交通機関のマヒも含め、めったに起きない現象への対処の難しさを改めて思い知らされたが、それでも中国メディアの記者は「日本の社会は素晴らしい」との感想を抱いたようだ。

 中国メディア・中国青年報は1月30日、1月24日から25日にかけて日本の多くで最高気温が氷点下になるなど異例の寒さとなり、低温や降雪によって水道管の破裂、交通機関の乱れ、高齢者を中心とした死亡・負傷事故などが発生したと伝えた。

 そのうえで「日本は悪天候や自然災害に対応するうえで十分に豊富な経験を持っている」とし、先日の寒波襲来の際にも「低温や災害にかんする警報が出ると、各公共メディアが素早く反応して細かな気象予報を流し、国民に対して繰り返し安全への注意を呼びかけた」と解説。また、1月中旬に積雪を記録した東京でも、一部の公共機関が降雪前に繁華街の歩道橋などに融雪剤を撒いて歩行者の転倒を防ぐ措置をとったとした。

 記事は、日本の社会を観察して「災害に抗う能力は、ある場面における感動を誘うような救助活動によってのみ検証されるのかもしれない。しかし、最高の防災・減災効果を得ようとするならば、都市づくり、社会管理、市民生活に防災・減災の理念を溶け込ませ、長期的に経験をくみ取り続けることが必要なのだ」という教訓を得たことを紹介した。

 災害が発生してしまった後の救助活動ぶりが、往々にして「感動的だ」、「愛だ」などとクローズアップされ、救助活動のレベル以上に「日ごろの心掛けや取り組みから、災害を防ぐ、発生時の被害を最小限にする」ことが大事、という点が見落とされがち、という点を記事は指摘している。何事も、普段見えない部分の努力が大切ということだろう。それは、目に見える成果や結果ばかりを追い求める、一部の地方官僚に向けられたメッセージとも言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)