初めての海外旅行に、台湾はお勧めの国かもしれません。漢字の国なので言葉の壁も少なく、そこまで治安の心配をする必要もないでしょう。ほぼ日本と同じ感覚で過ごせます。ありとあらゆる日本の文化が浸透していて、気を抜いてしまうと台湾にいることを忘れるほどでした。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。2015年11月11日から約1ヶ月ほど台湾に滞在しました。台湾の物価は日本よりも少し安め。特に外食はお手頃で、しかも、おいしい料理が並んでいます。台湾人チャリダーとも仲良くなったりと、充実した日々を過ごしました。出国の際は、名残惜しくなるほど。台湾は、またいつか訪れたい国の一つです。

そんな私の台湾滞在で、刺激を受けた光景を、今回は紹介したいと思います。

◆繁体字(旧字体)

台湾は日本と同様に漢字が使われている国の一つで、日本の旧字体のような繁体字が使われていました。字画の多い複雑な字体から、漢字の成り立ちを勉強できます。「欲」ならば「慾」と、本来なら心があることを知ったのは目からうろこでした。

「学校」が「學校」だったり……



「芸術館」が「藝術館」となっています。



反対に中国では、字画を減らして簡略化された、簡体字という漢字が使われています。あちらはあちらで、未来を行くような形で興奮しました。

漢字を識別可能なのは、日本人ならではの特権。アラビア語やタイ語のように、現地の文字が解読できないこともなく、旅行中はいたって快適でした。いざとなったら筆談できます。ただし、同じ漢字でも発音は遠いんですよね。イタリアでスペイン語を話しても通じるような関係が、日本語と中国語にないのが残念。

繁体字だらけの看板。



街なかで見かけた求人案内。大まかな意味は読み取れますよね。



無断駐車はお断りという告知。



パソコンのキーボードも、漢字が溢れているので面白かったです。



ちなみに、台湾だと英語がいまいち通じないので、中国語を使ってコミニケーションしていました。かつて旅した中国の言葉を、また使うことができて感慨深かったです。分からないことも多く、すぐにお茶を濁す程度の語学力ですが、言葉が通じると嬉しい。ご年配の方を中心に、日本語を話す方も多かったです。

◆道路標識

自転車で旅するチャリダーだからこそ、道路に散らばる標識は気になってしまいます。台湾には世界でも希な漢字の標識が使われていました。外国人が初めて見たら、困ってしまいそうです。

「慢」はゆっくりの意味。



「讓」は道を譲れということでしょうか。大きな道と合流する所に、この標識が立っています。



他にも「お猿さん」に注意があったり。台湾中央は山岳地帯で、実際に道路からお猿さんを見かけました。



海辺の道路には「蟹」の標識。



「落果」と木の枝から落ちてくる果物にもご注意。こちらも珍しいイラスト形式の標識です。



「遊泳禁止」は台風がやってくるのもあって、現実味を帯びていました。



ちなみに、台湾の道路は原付レーンがあるため広く、自転車で走っていても快適。



台湾全土に散らばるサイクリングコースを交えて、くるりと島を一周できる「環島1號線」という全長939.5kmの自転車ルートもありました。



◆くまキャラクター

中央の山岳地帯にタイワンツキノワグマが生息することもあって、台湾ではくまキャラクターが大人気。台湾各地で、様々な種類のくまキャラをみつけてきました。笑えるくらいにくまキャラでいっぱいなのです。

こちらの「喔熊(Oh! Bear)は台湾観光のPRキャラクターでした。觀光局超級任務組組長という役職持ち。ゆるキャラなんでしょうけど、ちょっとシュールな顔をしています。



この「高雄熊」は台湾南部にある高雄市のマスコットキャラクター。こちらは、可愛らしい表情をしていました。



台湾を代表する百貨店、太平洋そごうにも「ThanQ」という名前のくまキャラクターが活動しています。



台湾人が描く漫画のキャラクターとしても登場。



三匹のくまが主人公のアニメもあるようです。



ホステルの部屋にもバックパッカー化したくまのイラスト。



日本のリラックマも人気のようで、タクシーの窓ガラスから見えたぬいぐるみにほっこりさせられるのでした。



・くまモン

日本を代表するくまキャラ、熊本県の営業部長兼しあわせ部長である「くまモン」も台湾では人気。スーパーマーケットでキャラクターグッズが販売されていたりします。台北市を発った日、河川敷を走っていたのですが、堤防には可愛らしいくまモンのイラストが溢れていました。

見よ、このくまくまパラダイス。



この愛らしさといったら……。



親指を立てるサインをしていたり、「うふふっ」と手を口に当てていたり。



くまモンと一緒にお茶でもいかが?



スマイル、スマイル。



と、全部くまモンだと思っていたのですが、最後の写真は胸にV字型の白い紋様がありました。こちらは台湾のLCCであるVエア(威航)のマスコットキャラ。台湾の人たちのくま好きはとどまることを知りません。

◆サービス全般

・トイレ

世界でも日本に並ぶトイレフリーな国が台湾でした。清潔なトイレは現地の治安を測るものさしの一つ。でも、ヨーロッパとか公共のトイレが少ないんですよね。イタリアとか「便座はどこへ消えた?」のレベルでしたし。そうした点からすると、台湾のトイレ事情は天国でした。コンビニやスーパーでトイレを借りることができます。たとえ年季の入った古いトイレだとしても、皆が丁寧に使っているので、不快になることもありません。

トイレを借りることのできるセブン-イレブンのマーク。都市部の店舗では使えないこともあります。



スーパーの入口にあったトイレ。



・カルフール

世界全土に店舗を持つフランス資本のカルフールは、台湾にも「家楽福」という名前で進出しています。店舗はスーパーマーケットよりも大きなハイパーマーケットという形で日用品からDIY、服飾、玩具までありとあらゆるものを販売。旅の際にはアルゼンチン、グルジア、ヨルダンなど、世界のカルフールに足を運んでいるのですが、台湾の店舗には独特のサービスがありました。

日本と同じような保冷用の氷サービス。



そして、電子レンジや給湯器まで備えたイートインコーナーもあります。いつまでも座っていたくなるくらいに、快適な空間が用意されていました。



・イートイン

スーパーマーケットにイートインスペースがあれば、お惣菜でもアイスクリームでも買ってすぐに飲食可能。日本でも導入する店舗が増えているみたいです。台湾では既に一般化されていて、コンビニには必ずと言っていいほど机と椅子が置いてありました。日本と同様にドリップコーヒーもあるので、店舗によってはカフェ店のような雰囲気もしたり。休憩がてら、よく立ち寄っていました。

セブン-イレブンで食事中。



◆安全な国

訪れた国が危険かどうかは、現地の人たちの生活から判断できます。台湾の前にいたフィリピンでは盗難や強盗防止のためか、商品もお金も鉄格子を通してのやり取り、コンビニですら警備員がいました。ところが台湾だと一転して、安全な空気が漂っています。日本と同じように、店外にまで商品が陳列されているのも普通です。東海岸の花蓮市のホステルは、深夜でもシャッターを下ろすこともなく「窓ガラスを割られたら、パソコンとか盗られてしまうのに」とこちらが心配になるほどでした。

地方都市ですが、原付バイクのヘルメットは置きっぱなし。



夜の雰囲気も、日本と同じようでした。



行列の並び方もきれい。



幼稚園児による海岸の清掃活動。



工事現場を知らせるイラストの腰の低さに、台湾をまた好きになるのでした。



マナーのある台湾の人たちによって、秩序ある社会が維持されています。

◆選挙

そして、何より新鮮だったのが選挙運動です。1月16日に実施された総統選挙、立法委員選挙に向けて、台湾全土で候補者の看板が掲げられ、熱戦が繰り広げられていた頃でした。政治に関連した中国語といえば、中国共産党に依るプロパガンダしか記憶になく、だからこそ民主主義に則った選挙活動に、かなりの衝撃を受けたのです。

政権交代を成し遂げた民主進歩党。



繁華街に出現していた親民党の巨大パネル。



このような感じで、いろいろな発見をした台湾でした。もし台湾を訪問する機会がありましたら、こうした光景にも注目してみて下さい。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン

自転車世界一周取材中 http://shuutak.com

Twitter @shuutak)