日本のドーナツ市場で独占的地位にあるミスタードーナツ。しかし、近年コンビニチェーンがこの市場に参入し、し烈な「ドーナツ戦争」が発生している。
例えば、ミスドの「チョコドファッション」は151円(いずれも税込み)なのに対し、セブン-イレブンの類似商品は100〜120円。ミスドには期間限定の100円セールがあるとはいえ、コンビニの「エブリデイロープライス作戦」は多くの消費者を惹き付けている。

ミスタードーナツのドーナツ(くーさん撮影、Flickrより)

ところが、そんなコンビニチェーンの戦術が通用しない場所がある。北海道函館地域のミスドは、100円を大幅に割り込む価格でドーナツを提供しているのだ。

限定は「函館のみ」という意味。期間じゃありません

どれくらい安いかというと、ミスド公式サイトに掲載されている価格のなんと半分以下。
オールドファッション、チョコファッション、チョコレート、ハニーディップ、シュガーレイズドが64円で、フレンチクルーラー、ダブルチョコレートなど4種類が75円、エンゼルフレンチ、チョコリング、ストロベリーリングが86円に設定されている。

実施しているのは、函館五稜郭、亀田本町、函館本通、函館赤松街道(いずれも函館市)、上磯(北斗市)の計5店舗。

なぜこんなに安いのかというと、実は先述の5店舗は、地元の老舗ベーカリー「キングベーク」がフランチャイズとして運営しており、独自の値付けをしているのだ。

ミスドの広報によると、オープン当時からこの値段だったわけではなかった。2000年頃、加盟店側から「近隣のお客様に喜んでもらえる価格にしたい」と本部に申請があった。検討した結果、この価格で販売することが決まる。ミスドは全国に約1300店舗を展開しているが、同様の施策をとっているところはほかにないという。

急激な円安の進行、原材料価格の高騰などの影響で、様々な食品や日用品が値上げされている昨今......函館市民が素直にうらやましい。

ちなみにキングべーク自身も、看板商品の「函館ラスク」などを擁する人気店。
2015年9月23日まで東武百貨店池袋本店で開催されている「秋の北海道展」にも参加中で、カレーパンを販売している。