東海大星翔vs菊池農
春の県大会準優勝の東海大星翔が初戦を迎えた。 試合運びが難しい初戦だが、初回から打線が圧倒した。1回裏、1番峰松 直道(3年)が四球で出塁すると、2番薬師寺裕貴(3年)の犠打が相手のミスを誘い、峰松が一気に生還。さらに3番山河 和也(3年)の犠飛で2対0とすると、その後 2回裏は打者9人の攻めで4得点。さらに3回裏は打者11人で攻め、一挙7得点。 完全に試合を決めた形となった。そして4回裏も打者13人の攻めで、この回も7得点。打線は活発につながり5回コールド勝ちを決めた。
投げてはエースの江口 駿希(3年・181センチ78キロ・右投げ右打ち)が好投。ワインドアップから始動し、左足を高々と上げるフォームから真っ直ぐ踏み込んでいき、左腕のグラブを高く掲げたところから一気に振り下ろすフォーム。常時130キロ前半〜135キロ(最速138キロ)のストレートは勢いがあったが、むしろ良かったのは変化球で、縦割れのカーブに、鋭く曲がるスライダーのキレ味が秀逸。この日は打たせて取る投球に終始し、球数少なく抑える投球に終始していた。
また東海大星翔は、打線の面で、ある工夫がされていた。4番を打っていた峰松は1番へ、長打力がウリの豊田 幸平(3年・172センチ68キロ・右投げ右打ち)が9番に座ったのは驚きであった。峰松は打順が変わっても存在感を示していた。スタンスを広げた構えからリリースする寸前に動き始める遅い始動で、ボールを手元まで引き付けてレベルスイングでボールを捉える選手。第1打席、第2打席はヘッドが遠回りしていたが、第3打席以降は、インパクトまで無駄なくスイングができており、鋭い打球を飛ばしており、計3安打を放った。 また広角に打ち分け、センターからの返球で鋭いボールを投げ込む山河 和也(177センチ68キロ)、強肩が光る遊撃守備に加え、シャープなスイングが光った6番ショートの岡本 志遠(右投げ右打ち・178センチ73キロ)も覚えておきたい選手であった。32年ぶりの甲子園を目指す東海大星翔にとっては良い滑り出しを切ったといっていいだろう。
(文=河嶋 宗一)
要チェックコラム!僕らの熱い夏2015 東海大学付属熊本星翔高等学校(熊本)
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