【第97回富山大会展望】2005年以降、連覇がなく代表が入れ替わっている激戦の富山を制するのは?

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 今、富山が熱い。2013年夏は富山第一がベスト8、2014年夏は富山商がベスト16と全国でも実績を残し、さらにプロ野球選手では千葉ロッテのクローザーとして活躍する西野 勇士(新湊出身)、2014年パ・リーグ新人王の石川 歩(滑川出身)と活躍する選手が多い。北陸新幹線の開通に伴い、さらに盛り上がりを見せている今年の富山県の状況を占う。

富山第一、新湊、富山商と有力校が勢揃い!

梶尾 郁彰(富山第一)

 春準優勝の富山第一は、技巧派右腕・梶尾 郁彰、右腕・浦島 泰我、2年生右腕・中津原 元輝と投手陣が揃い、バットコントロールに優れた右打者・谷口 丈治を中心につなぎの打撃で勝負。初戦は昨春北信越大会出場経験のある富山国際大付属との対戦が決まり、いきなり好カードとなった。同ブロックでは、秋4強の砺波工がノーシードから登場。両チームが勝ち進めば、3回戦で当たる予定だ。同ブロックのシード・富山工は、本格派右腕・松島 良輝の投球がカギを握る。初戦は南砺福光と対戦する。

 この春の4強入りの富山東は、水橋と対戦。同ブロックのシードで、春8強の氷見は、好打者・坂田 一朗主将を中心に活発な打線がウリだ。さらに投手力も強化され、接戦にも強くなった。キーマンは攻守の要・針山 由比呂だ。初戦は富山北部と対戦。

 この春優勝の富山商は、昨年の経験者が若木 飛悠雅、岩瀬 大輝、大倉 拓也の3人だけ。だが一冬で、県内を制するまでの力をつけた。投手陣では左腕の廣原 翔太、右腕の渡辺 圭祐の二枚看板で勝ち上がった。この夏も注目のチームになるだろう。初戦は2007年夏の甲子園出場の桜井と対戦する。同ブロックのシード・高岡商は、エース・林 陽太、左の好打者・田越 義史と昨夏の経験者がチームを引っ張り、攻守ともにバランスが取れた好チーム。初戦は伝統校・魚津と対戦する。

 また春4強の魚津工は県内屈指のスラッガー・漁 大稀がチームを引っ張る。初戦は小杉と対戦する。さらに同ブロックのシード・新湊は、左腕・吉田 凌太は打たせて取る投球に長けた技巧派。さらに江田 修也、鞍田 晃知と好打者が揃い、2011年夏以来の甲子園を狙える位置に達している。

 大会は7月11日に一斉に開幕する。富山代表は富山商が2002年〜2004年と3連覇をして以来、2005年の高岡商から連覇がない。高岡商は2008年に再び甲子園出場を果たしているとはいえ、毎年代表が入れ替わっているのだ。富山商が2年連続を決めるか。はたまた、この夏も新たな学校が代表の座を掴むか。混戦模様の富山。最後まで見離せない大会になりそうだ。

(文=河嶋 宗一)

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