介護・福祉現場の救世主となるか!? 話題のサイボーグ型ロボットスーツがこれ

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介護現場の人材不足はその過酷な肉体労働にも原因があるだろう。そこで期待されているのが、人の動きを支援できる装置の導入だ。

大和ハウス工業は、5月1日からサイバーダインが開発・製造するロボットスーツHALの3タイプを、介護・福祉施設など向けに販売を開始することを発表した。

ロボットスーツHALは装着者の皮膚表面から生体電位信号を読み取って、装着者が行おうとしている動作を支援するロボットだ。ロボットスーツHALの3タイプとは、自立支援用(下肢タイプ)、自立支援用(単関節タイプ)、介護支援用(腰タイプ)になる。法人向けのレンタル販売で、個人向けには販売しない。

3つのタイプのロボットスーツ

大和ハウス工業はこれまでにも既に介護・福祉施設などにロボットスーツをリース・レンタルしてきており、約160施設で合計約360台を稼働させているという実績がある。

そこに今回新たに、自立支援用(下肢タイプ)、自立支援用(単関節タイプ)、介護支援用(腰タイプ)の3タイプを投入することになる。

まず自立支援用(下肢タイプ)は、下肢に障害がある人や、脚力が弱くなっている人を支援するロボットスーツだ。歩行や立ち上がる際の動作を支援する。バッテリーを含む重量は約14kgで、約60分動作する。レンタル料金は5年レンタルで月額18万8000円(税別)となる。

次に自立支援用(単関節タイプ)は肘や膝の関節部分に装着して、トレーニング時に使用する。

制御部とバッテリーを除いた重量は約1.3kgで、約120分動作する。レンタル料金は両側セットの5年レンタルで月額13万円(税別)となる。

介護支援用(腰タイプ)は介護を行う人が装着するタイプで、腰にかかる負担を軽減する機能を持つ。特にこのタイプは介護現場の労働災害防止を目指している。

バッテリーを含む重量は約2.9kgで、約180分動作する。レンタル料金は3年レンタルで月額7万8000円(税別)となる。

完全機械化できない作業への支援方法

大和ハウス工業では、介護・福祉現場へのロボットスーツ導入のために、2008年からロボット事業推進室を立ち上げていた。

既に述べたように、これまでにも約160の施設に約360台のリース・レンタルの実績がある。また、2010年にはセラピー用のアザラシ型ロボット『パロ』も販売開始している。

そして今回の『ロボットスーツ HAL』は3タイプを年間20〜30セット出荷することで事業拡大を目指している。さらに同社は、5月1日から建設現場の作業員の作業を支援する作業支援用(腰タイプ)を10台現場に投入し、現場実証をはじめることも発表した。

まだまだ完全な機械化が難しく、人の判断や動作、細やかな気遣いが必要な重労働があるのだ。これらを支援するには、人の動作を支援するロボットスーツというアプローチが、今のところ有望なようだ。

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【参考・画像】
ロボットスーツHALR」3 商品同時販売開始

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