プレミアリーグ王者チェルシーが、審判への不信感を募らせている。1−2の逆転負けを喫した5日のトッテナム戦で、6人の選手が警告を受け、DFジョン・テリーをイエローカード2枚の退場処分で後半途中に失ったチェルシー。さらに、FWディディエ・ドログバのゴールが取り消されるなど、主審を務めたグラハム・ポールの不可解な判定に、試合後のジョゼ・モウリーニョ監督は怒りを隠さなかった。

 そして、審判に対する不満の声は選手からも聞こえている。今夏、アーセナルから念願のチェルシー入りを決めたDFアシュリー・コールは、ポール主審が試合中に漏らした言葉を暴露。プレミアリーグでは、強豪チームに対して、意図的に厳しい判定が下されると語った。

「ポール主審は、フランク・ランパードに向かって、『君たちには規律が必要だ』と言ったんだ。そんなことを言う主審が裁く試合でプレーする意味なんてない。そもそも、厳しい判定を受けるのは、目に見えているんだから。アーセナルにいたときも同じだった。チームが勝っていると、審判が厳しくなって、カードの数が増える。ドログバのゴールだって、まったく問題はなかったはず。あの得点で、試合は決まっていたはずなのに。まったくクレイジーだ。あんな形で試合を落とすなんて、あっていいはずがない」

 また、退場処分を受けたキャプテンのテリーは、2枚目のイエローカードに対するポール主審の説明が、納得できるものでなかったと明かしている。

「1枚目のカードは当然の判定だった。でも、2枚目は、いまだに納得できない。僕はレドリー・キングとピッチに倒れ込んだ。そして、起き上がるときに、少し言い合ったんだ。でも、彼のことはよく知っているし、声を張り上げて言い合うなんて普通のこと。その後、パスカル・シムボンダに押されたけど、無視して走り去ったんだ。ポール主審は、僕がホッサム・ガリを押したからカードを出したと、ピッチ上では説明していた。でも、試合後には、キングとの接触が警告の原因だと言われた。とにかく、チェルシーではじめての退場だったから、すごく残念だ」

 警告が多発したことを受け、イングランド・サッカー協会(FA)はチェルシーに対する罰金処分を検討しており、コールをはじめとする選手の発言に対しても、調査の可能性を示唆している。強豪チームにとって、避けては通れない“審判の洗礼”に苦しむチェルシー。リーグ3連覇を目論むチャンピオンチームの苦悩は今後も続きそうだ。