【ファンキー通信】「脳のメモ帳」ワーキングメモリーって知ってます?

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 皆さんご存じサザエさんの主題歌、「買い物しようと街まで出かけたが、財布を忘れて愉快なサザエさん・・・」、この歌詞のように、何かしようとしてたんだけど、肝心なこと忘れちゃった!ってこと、たまにありますよね。これって何が原因で起こっているか、知ってます? 実はこの現象、「ワーキングメモリー」という作業をする時に使う記憶がおおいに関係しているのです!


 「ワーキングメモリー」とは、いわば「脳のメモ帳」。この容量は少なく、容量をオーバーすると古いメモが捨てられ、新しいメモが書き込まれるという仕組みになっているのです。サザエさんはおそらく、出際に何かあって(新しいメモ)、お財布(古いメモ)を忘れてしまったのではないでしょうか。


 ふだん、電話をかけるとき最初の何桁かを自然と暗記することがありますよね。その時情報がインプットされる場所が「ワーキングメモリー」なのです。でも、最近ではその「たった何桁」すら覚えられない人が増えているそう。ケータイのアドレスから1プッシュで電話が繋がる便利さに慣れてしまうと「覚える」という行為は減り、もともとの容量が少ない「ワーキングメモリー」も減っていくのだそうです。


 それなら、容量を増やせばいいのでは? しかし、そんなことってできるのでしょうか?「ワーキングメモリー」に詳しい聖心女子大の高橋雅延教授に尋ねてみました。


 「ワーキングメモリーの容量を増やすことはできません。というのも、人間の短期記憶の仕組みとして7つ以上のことを覚えられない、という研究結果が100年以上前から明らかになっていますし、様々な実験結果から実証されています。なので、増やすという考えよりも、減らさないよう自分なりに工夫することですね」


 ふむふむ。それでは、簡単にできる「減らさない」ための工夫の仕方とは?


 「覚えたい事柄にゴロを合わせたり、“こじつけ”たりするといいでしょう」(同)


 つまり、「1192(いい国)作ろう鎌倉幕府」といったように数字に言葉を当てはめたりリズムをつけると、「ワーキングメモリー」を減らすこともなく、ちょっとした番号や作業を覚えるのも苦になりませんよね。


 日常的に「あれ?」や「うっかり・・・」といったことが多い人はメモリー容量が減ってきているサインかもしれません。そんな時はこういった方法で「ワーキングメモリー」を活用してみてはいかがでしょうか?(坂井あやの/verb)