山形県庄内町で起きたJR羽越線の特急脱線転覆事故で29日朝、「脱線した特急に乗っていた」と名乗り出た女性がいたことが分かった。この女性は、秋田県由利本庄市に住む41歳の母親で、同日午前8時半過ぎ、JR羽後本荘駅前の交番を訪れ「事故当日『いなほ14号』に乗っており、行方が分からないとされている母子連れは自分たちのことではないか」と名乗り出た。

 女性の話では事故当日、6歳の長女と秋田から一時間遅れの『いなほ14号』に乗り、先頭車両の後から3番目の席に座って、一つ先の羽後本荘駅で降りた。女性は当日、白いコートを着ており、娘はベージュのコートだったが、テレビニュースを見て、「行方不明」とされている母子連れは「自分たちのことではないかと思った」として、名乗り出た。

 事故の原因調査に当たる山形県警は、捜査官を秋田に派遣してこの女性から詳しい話を聞き、本人の申し立てとこれまで寄せられた目撃情報との照合など、詳細について確認作業を行っている。

 一方、脱線現場では、29日も山形県警が300人以上の体制で吹雪の中、捜索活動を継続している。【了】

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