南方熊楠が民話の聞き取り調査をしたとき、同じ話を何回も聞いて話の変わる部分はその人の作り話と判断したそうだ。真実は一つだが、嘘はたくさんあるからだ。南方の手法を上杉隆氏の弁解に適用してみよう。上杉氏は9月22日の記事で読売新聞の記事を引用して「この小さな記事がなぜ不誠実なのか。それは、最初の前提となる情報が欠落しているからだ」と批判し、「大手メディアは海外政府による避難勧告を報じてこなかった」という