堺雅人演じる銀行マンの奮闘を描いたドラマ『半沢直樹』(TBS)の勢いが止まらない中、10月にこの後枠としてスタートするキムタク・木村拓哉(40)主演のドラマに、早くも暗雲が立ちこめている。
 発表されたのは、『安堂ロイド〜A.I.knows LOVE?〜』。木村拓哉主演という切り札で是が非でも『半沢直樹』に続くヒットドラマを狙いたいTBSの意気込みは伝わってくるものの、どうやら空振りに終わりそうな気配なのだ。

 企画書を一読したという某大手広告代理店幹部が言う。
 「業界内では正直、失笑を買っている。あれだけの骨太ドラマの後枠に、キムタクというピークを過ぎたアイドルを起用する意味が理解できない。百歩譲ってキムタクを認めたとしても、キャラ設定や構成がかなりずさん。徹底的にこだわりぬいた『半沢直樹』と比較すると、どうしても見る気がしない」

 内容も、2113年から現代にやってきた木村演じる安堂ロイドと柴咲コウ演じるヒロイン・安堂麻陽の、時空を超越した究極のラブストーリー。どこかで聞いたような話だ。
 「アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『ターミネーター』です。柱となる構成が全く同じ。しかも、キムタクの希望で無理やりSFチックにしミステリー要素を加えたことで、かなり厳しい構成案になっている。この種のドラマが日本で高視聴率を取った例はありません」(事情通)

 大コケ必至と言われる理由は、他にもあるという。
 「木村は今後『半沢直樹』の良さを理解したドラマ通の視聴者を相手にしなければならない。その一つの例が主題歌です。『半沢直樹』には安っぽい主題歌が存在しない。しかし、『安堂ロイド〜』にはSMAPの新曲が主題歌に想定されており、この段階でチャンネルをザッピングする視聴者が激増するはずです。さらに柴咲についても、自分のワガママからドラマ『ガリレオ』(フジ)を降板したトラブルメーカーのイメージが強く、恋愛スキャンダルが祟って下降線をたどっている。彼女も数字を持っているとは考えにくいですからね」(制作会社幹部)

 結果、キムタクが半沢にトドメを刺されることになるのか。